異世界ナビゲーション

@mayoi0012

第1話 ありえない……驚愕のプライス

『ねぇ、なんかココ、光ってない?』

『あ〜、ホントだね。押してみる?』

『や、やめてよ!何か危ない感じがする……』

『大丈夫でしょ!』

トンッ

『ちょ、なんで押す……ん?』

「「うわあああ!!!」」

その瞬間車内は眩い閃光に包まれた―


△▽△▽△▽△▽△▽


―数十分前―

「やっぱりどこも変わらない値段だね〜」

「そだね、やっぱり高いよね^_^;」

私、加藤 聖(かとう せい)は

主人である加藤 英史(かとう えいじ)と

ある中古のカー用品店に来ていた。

そこはとても変わったお店で

どこにも売っていないような古いカー用品が置いてあったり

車の小さなフィギュアなどが置いてあったり

他とは違う雰囲気が溢れていて

私たち夫婦はそういったほかにはない雰囲気に魅了され

フラフラとそのお店に立ち寄ったのだった。

当然、私達は車で訪れており

その車はお気に入りの愛車で、特に私はその愛車でドライブするのが大好き!

主人は車は運転できるけど、私が主に運転するので

長時間運転になる時に代わってもらうか

本人だけで出かける時以外はあまり運転はしない。

あ、……話がズレてしまった(苦笑)

兎に角、私たち夫婦はいつも通り休日にブラブラとドライブに出かけて

少し遠くに足を延ばしたところ、知らない道をドンドン進むことになってしまい

途方に暮れていたところに今いるお店に行き着いたのであった。

知らない土地で少し田舎臭い道を進んできて見つけたこのお店……

少し入るのに勇気がいったが、愛する主人が入ってみようと言うので

このお店に入ってきた私達……

一体、この変わった雰囲気のお店に何を見に来たのかと言うと

私たちの愛車に乗せるカーナビを見に来ていたのだった。



「英史〜やっぱりここにもいいヤツ、置いてなさそうだね…」

「そだね〜

かなりいい雰囲気だったから気になって入ってみたけど

ナビだからお手ごろなのは無さそうだね;」

「そりゃそうだよね〜;

そう簡単に安いやつなんて見つからな……

て、え、英史〜!」

「うん?どした〜」

「こっち!こっち来て、見てみて!」

「あん?」


私が目をつけたのはお店の奥の方……

しかも誰も見なさそうな低い位置に置いてある

かなり新品っぽい感じのカーナビ

お値段なんと―


「「1000円!?」」


その安さに驚き2人で声を上げてしまった。


「え?そんな事ある?

ナビってもっとお値段するよね…?」

「普通はね。最低でも1万円くらいかな?」

「この値段……ホントに合ってるのかな?」

「勿論ですとも…」

「「!?」」

私たちがあまりの安さにコソコソと問答をしていると

いつの間に後ろに立ったのか、何故か音もなく現れた

これまた怪しげな笑みを浮かべたおじいちゃん……

「あぁ、驚かせてしまったようですみません」

「いぇいぇ、こちらこそ妙に驚いてしまってすみません;

えーっと、それで…このカーナビのお値段って…」

「えぇ、表示は間違っておりませんよ。

このカーナビは1000円でお売りしております。」

「なぜ、こんなにお安いんでしょう?」

「ふふふ…それは……

お使いになったらおわかりになりますが

あえて言うとすれば、少し特殊なんです。」

「特殊?というと?」

「えぇ、まぁ、なんと言いますか…

普通のカーナビゲーションにはない特別な機能が付いておりまして、

その機能というのがほかのお客様には魅力がなかったようで

このお値段をつけさせて頂いております。」

「え?その機能ってどういった機能なんですか?」

「これ以上は私(わたくし)の口からは申し上げられません。」

「「…」」

「英史、あ、怪しくない?もぉ帰ろうよ…」

「いゃ、なんか面白そうじゃない?

俺は興味あるなぁ 笑」

「いゃいゃ!そういう問題じゃないでしょ!

英史のそういう何でも面白そうな事に挑戦するところ好きだけど…

今は違うでしょ!?」

「でもさぁ〜、どんな機能が付いてるか知りたいじゃん?」

「その気持ちもわかるけど……」

「よし!じゃあ、俺買うよ!!」

「え、今の私の意見は無視?!やめてよ、

ホントに;!!」

「大丈夫だって!

あ、店主さん?あの、これって気に入らなかったら

返品とかできます?」

「はい、勿論です。

いわく付きなので、もしお客様がお使いになられて

気に入らなかったり、危険と感じる時は

いつでも返品しに来られてください。

1年間以内でしたら、返品可能ですので…」

「「い、1年間!?」」

「はい、左様です。」

「英史、やっぱり止めようよ…

何が起きるかわからないとか怖いって…」

「ん〜……でもなぁ〜

ちょ〜〜〜〜〜!気になるしな〜〜笑

それに、今まで俺が面白そうな事に手を出して

失敗したことないでしょ?

試しに買ってみようよ笑」

そう言って英史はたったの1000円しかしない

怪しいカーナビゲーションを嬉しそうに

購入してしまった。

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