第3話

「じゃね! ばーいばーい」


 ....帰路の途中。私は、わざと桃葉と別れた。

 

 夕飯の買い出しだと言って嘘をついた訳だが、親友相手だと罪悪感が残る。


 けど、しょうがない。

 

 ────は、見られたくないし。


 今日は特に我慢の限界だったから、血流が跳ねるように上がり、そっと腕を捲れば血管が鮮明に浮いている。

 

 早く──したい。

 

 この使い古した感情は、────と訴える。


 そうだね、と。

 

 私は私に頷く。


 

 

 

 

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使い古した感情が訴える 那須茄子 @gggggggggg900

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