第25話 こどもの日に思う事 (日常、建築)
五月五日は、端午の節句、こどもの日ですね。
子供の頃の思い出は、兜を飾り、鯉のぼりをあげて、柏餅を手作りして食べていました。柏の葉っぱをむしるところからですね。
現在の我が家では、鯉のぼり柄の手拭いを飾るぐらいです。柏餅は近くのシャトレーゼという洋菓子屋さんで買って来ます。
自分の時と比べて、子供たちにそこまでやってあげれないもどかしさは有りますが、時代の流れで仕方無いとわりきっています。
実家は田舎で小さいけど山も所有していたのでそこから葉っぱを取ってきたり、鯉のぼりの土台となる木を切ってきて手作りしていましたからね。
うちの息子氏が産まれた時に、実家の両親は初孫だったので、張り切ってどでかい源氏旗付きの鯉のぼりを買っていました。
当時の大木世帯はアパート暮らしなのでそんなに大きいのはいらなかったのですが、その頃は年に三回実家に帰っていたので、実家で飾るから良いじゃないか、と押し切られた形ですね。
両親があらかじめ山から手頃なヒノキを切ってきて、私が日曜大工で土台を作りました。
最近ではゴールデンウィークには十年位帰っていないので、その鯉のぼりは今はどうなっているのやら。行かなくなった最初の頃は写真を送って来てくれてましたけどね。
そして、この山林の木、当然すぐ育つものではないので、一般的には孫のために植林すると言われています。
ところが現在の日本の状況はといいますと、植えてくれたお爺さん、ひい爺さんのもくろみが外れて、安い外国産材に押されて需要がそこまでありません。
近年のウッドショックといわれる材木の大幅値上げにより国産材と外国産材の値段の差は縮まったのですが、まだまだです。
ウッドショックが始まる5年以上前の情報なので今現在は違うかもしれませんが、実家のリアルな話だと道路沿いにある山林でさえ伐採・搬出作業の費用と材木の売り値がトントンでなんの儲けにもならないという状況でした。
道路から離れた場所では完全な赤字です。
私は実家のお手伝いはしていましたが、林業というほどの経験は有りません。ですが山の所有者は、植林をしたら下草刈りに始まり、枝打ちを定期的にしないと節だらけの木となってしまい、材木としての値段が最低値になってしまいます。そうなるとますます赤字路線です。
家内産業としての林業も、専業としての林業も高齢化が進み、ますます就業人口が減っているそうです。
そして植林で植えられたのは大半が建築用材として適した
山肌の保水力が足りないと、伏流水とはならず、山に降った雨は表面を滑り落ちてすぐに海へと到達してしまいます。
この問題は以前から言われていますが、都市部に住む人々の記憶には残らず、やり過ごされてしまっていると思います。水不足や土砂崩れの一因にもなってしまっているようですね。
昔と違って、限られた平野部にある都市部に人口が集中してしまっている一番の弊害が、第一次産業への無関心ではないかと思います。
かく言う私も、田舎から出てきて首都圏に移り住んでいますので、偉そうなことは言えませんが、せめて関心だけは持ち続けていたいと思っています。
なんとか子供たちにその思いを伝えたいのですが、都市部住みでは体験ができないので中々難しいですね。
林業を復活させる方法としては、やはりなんといっても「儲けになる」産業として持続的に成り立つことでしょう。
その観点からしても、日本にお住まいの皆さんには、建築の際などに国産材を積極的に使用するという選択肢を持ってもらえると、日本の未来が変わるかもしれません。
◇◇◇
外国産材の問題点と国産材の利点についてエッセイを書いています。よろしければご一読くださいませ。
エッセイ『アレルギー体質の家族の為の家造り』
『第8話 私の選んだ建築材料たち その1』
https://kakuyomu.jp/works/16817330669236786159/episodes/16817330669547736942
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