第3話 保健室に行きだした頃、

 担任の先生から家に電話がかかってきた。

「学校は勉強するところ」という旨を親に告げたらしい。

それはそのとおりだと思った。

しかし、自分が保健室に通っているのは、吐き気と蕁麻疹が出てくるからであって決して、サボりではない。

学校に通っていても、息苦しい。クラスの人たちは楽しそうにしているが、ボクは、なんにも楽しくない。ただただ虚しい。うつにでもなっているのだろうか。

 保健室の先生とも、会話するようにはなっていた。田辺先生と宮城先生というらしい。ふたりとも女性の養護教諭だ。

 ボクは、しんどくなるたびに授業を抜け出して、保健室に行くようになった。

 大井君とは担任の注意以降なくなった。しかし、今まで日常的にされていたのでボクとしては、謝罪が欲しい気持ちになった。

担任から「あんたも悪い」と言われたのが気に食わなかった。

精神病院と発達障害支援センターに通い始めた。

発達障害支援センターの職員さんは、ボクの高校の先生と連絡をとり、ボクが保健室にいっていて、担任がそれで頭を悩ましていることを知った。

 あまりに保健室に行くことになったので、担任の先生が欠課表を印刷してボクに渡してくれた。

「休んだら、これに印をつけなさい。」と言われた。保健室にいるボクだが、体調が回復したら、教室に戻ることもある。後ろから、ガラガラとドアをあけて静かに自分の席につく。

 

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

高校時代、鬱になりまして。授業でろ?嫌ですね。 狼男 @shinshin4445

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る