懐影

 追いかけて 追いついても 手は届かなくて

 君の影だけが 掴めてしまう


 影だけじゃ物足りなくて 悲しくて

 乾ききった私の心を 満たしてくれるのは君だけ


 期待したって 帰っては来ないのに

 もう名前を 呼んでくれることもないのに

 居場所はここだよって 待ってはくれないのに


 香りも 声も 隣りにいた感覚も はっきり覚えていて


 なぜこんなにも 人がありふれた世界の中で

 君しか考えられないのだろう

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