第4話選択と帰還

俺は目を疑ったクソッタレが、俺達の目の前で1枚の契約書を破った。


「お、おま「これで君は自由だ」」


俺の言葉に被せながらクソッタレは奴隷である、いや奴隷ルミネの契約書を破った

次第にルミネの腕にあった隷属の呪文の紋章は跡形もなく消えた。奴隷達の声が聞こえるザワザワと驚きの声がもちろん俺だって驚いているこんなことに生まれてはじめてだ


「よいしょっと、、ルミネ一応聞くけど、お家に帰りたい?」


クソッタレは足を曲げ目線を合わせたあと優しい口調で言った、ルミネはいまだ状況が分かっておらずフリーズしていたがクソッタレの声でハッとなり、今の状況がやっと分かったのか少しずつ目尻にに水が溜まりだした


「お、お家に帰り"だい"でず!おねがい"じま"ず!"!"」


鼻水をながし、大きな涙を流しながら深く本当に深くお辞儀をしながら震えていた。ルミネはずっと、ずっと奴隷になった日から思っていたことを初めて口に出せた。クソッタレはルミネの頭を優しく撫でた


「その言葉受け入れた。ちゃんとお前の家まで命を賭けて帰すと約束しよう」


「う、うぅぅ」


「泣いて良いぞ」


「うー、、うわあぁぁ、、、うわぁーーーーーーん」


奴隷の癖でルミネは大声で泣くのを躊躇い我慢をしていたがクソッタレ声でルミネは大きな声で泣き出した。他の奴らも釣られ泣いている奴がいたよまぁ、、俺も少しだが泣いてしまった


「っとすまんすまん、他の4人の奴らもちゃんと家に帰してやるから安心しろよ」


クソッタレは残りの4人の方に笑みを浮かべながら言っていた。


「あ、あの、、わ、私も帰りたいです!!」


声がした方を、見ると震えながら手をあげ、クソッタレの方を見ている女がいた


「君はたしか、、、ルミアだっけ?」


クソッタレは1度上を向き、考えた後にルミアと言う女に話しかけた


「は、はい!私はルミア・イザンナと言います」


ルミア・イザンナ、俺でも聞いたことがある名前だった、いや正確にはイザンナと言う名字の方だが、、、イザンナ家は元々有名な貴族だったらしいが、魔族との戦争に巻き込まれ、没落したらしいが生き残りがまさかいたとはな


「う~ん、、ルミア、いや、、さっき帰すって言った5人以外に厳しいことを言うよ」


急に真面目の顔になり、俺達に語りかける。


「君達にはもう帰る場所がない」


、、、厳しい現実をクソッタレは言い放った。辺りはどよめきが滞りザワザワと聞こえ、そして現実を見て泣き出している奴もいる。


「ど、どうして、、、どうしてそんなことが分かるんですか!」


「家族に売られた、村が襲われた、盗賊に襲われ両親が殺されて自分は売られた、誘拐された、敵国の捕虜を売る、裏切られて仲間によって奴隷になった

これが基本的に奴隷になった経緯だ、君達にも俺が言ったどれかじゃないか?」


俺はなぜかクソッタレの言葉を聞いて拳を握ってしまった。おかしいな俺は訳じゃねぇのに


「帰る場所がない、お前らに問う!!ここで働いて暮らすか、それとも別の場所で暮らすか!!どっちが良い!?」


クソッタレは、徐々に声を大きくしていき、ここにいる全員に問いかけた


「ここで暮らすなら今まで通りだ、しかし別で暮らすのなら一人で生きれるまで援助をする、家を貸してやる。好きなことして生きてみろ、お前らはもう...........」


クソッタレは俺達の奴隷としての契約書を掲げた。


「自由だ」


突如クソッタレの手に火を纏わせ、契約書を塵へと変えた、今この瞬間俺達は人間へと変わった


「一人づつ俺の部屋に来てくれ、ここに残るか独り立ちするか、話し合おう」


クソッタレは後ろを振り向き屋敷の中へと帰っていった。

残った俺達は何が起きたのか分からずに、ただ呆然としていたが、クソッタレの近くにいる1番の古株である執事が帰すと言った5人の方に向かっていった。


「では、あなた方達を帰すのですが、、、今からでも大丈夫だしょうか?」


「は、はい大丈夫です!!」


「皆さんもそれで大丈夫ですか?」


「「「「は、はい」」」」


「では、皆さん行きましょうか」


ガラガラと音を立てながら直ぐに4台の馬車が並んだ、護衛と思わしき兵隊が1台に付き1人ずつ並んでいた。


「では皆様、よろしくお願いします」


執事が仮面を被り、鎧を身に付けている奴らに礼をしていた。


「あ、皆様ご安心ください、確かに彼らは怪しい姿をしていますが、皆様ジン様に忠誠を誓っております。それに女性には女性を男性には男性の護衛を付けますのでご安心ください」


笑みを浮かべながら、5人を馬車の中にいれていく、1つだけ2人入って行ったのは恐らくは家族なのだろう


「では、皆さん1度屋敷に戻りましょう。ジン様の質問にも答えなければだめなのでね」


俺達は執事の言葉を聞いたあと、屋敷の中に入っていった。

順番が来たら呼び出されるらしく、それ待では部屋で待機だと、て言うか俺の部屋どこだ?今日まで寝ていたから知らないんだが、、、まぁ聞けば分かるだろう。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

ようこそ、奴隷しかいない貴族の屋敷へ 俺にゃん @orenyan0809

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ