落盤現場(元入り口)に置かれたビデオカメラの映像



2023/01/09 18:01




「よし、バッテーリー交換OK、っと」

「バッテリーだけは潤沢に準備されてるな」

「小型化及び大容量化の恩恵だよ」

「確かに。昔は映像取るのだけでも大変だったって話だからな」

「明かりもLEDで明るいし、スマフォもあるし、いい時代だ」

「電波、相変わらず繋がってねーけど」



ヒュウウウウウ



ガタッ

カチャン  カチャン



「思ったより寒くないな、ここ」

「だなぁ。っと、灯りは最低限にしとこうぜ」

「太陽光で充電できねーかもだからな、了解了解」


「……なんかスゲー事に巻き込まれたよな」

「それな。でも、皆一緒だからあまり怖く感じないんだ」

「だなー。つーか、あの石像、気味悪い」

「顔の造りが微妙に生々しいんだよ」

「できれば別の所に置きたいんだがね」

「同感。まぁ視界に入れなきゃいいか」




ヒュウウウ




「時間経つのおせー」

「相対性理論って奴か、知らんけど」

「あぁそういや十河の奴、あんな見境ない奴だったか?」

「ありすちゃんの件か」

「そうそう、あいつヤリチンぶってるけど中身はヘタレじゃん?」

「だからじゃね?」

「ん?どういう意味?」

「ありすちゃんなら大人しそうで『イケる!』って思ったんだろうよ」

「あー……、成程。あいつ余罪ありそうだなぁ」

「あると思うぞ。今回のを見てると」

「保場教授がどう対応するか、だなぁ」




ヒュウゥゥウ




「あまりスマフォ見ない方がいいぞ、バッテリーが勿体ない」

「とは言っても暇で仕方ねーし。充電用は持ってるから大丈夫だ」

「つか、外からだーれも連絡しに来ギギギギないな」

「さっきから雪が入り込んでるし、結構降ってそうだな」

「……外の奴ら、大丈夫なのかよ」

「鈴木さん辺りなら雪中キャンプを喜びそうだけど、他メンバーはきついだろうなぁ」



ビュウウウウウウウ

……ゥーゥゥゥゥゥ



「これ、外の奴ら来ても、声聞こえねーかもしれないな」

「あ、なら暇つぶしに工作でもするか」


ゴソッ

ガササッ



「ロープ、井戸用の滑車、あとは……鈴を、っとカラン

「なんで鈴なんか持ってきてるんだよ」

「熊除けとして、一応な」

「九州に熊居たっけかな、クマ牧場にしかいなかった気が。で、何作ってるの」

「神社のアレみたいなのだよ。外でこの部分を振れば、こっち側で鈴でなるのさ」

「あの穴使うのか。ただ風が強いから、重り付けた方がよさそうだな」


カラン……

ガチャ タン タン タン

キュポッ


「滑車の固定がきついが、行けるか?」

「土が凍ってるから、いけそうだ。向ギギギギこう側に重しが付いた方を投げて、っと」


ザッ タン タン

カラン  カラン

ジィィィィィ……バダン


「うしっ!完成!」



「うひぃ、体温まギギギギってあっつい」

「丁度良いじゃん。交代で仮眠とろうぜ。先に寝ろよ」

「そう?んじゃお言葉に甘えて、っと」










ヒュウウウ……








スゥ……







「寝るのはえーな」









ヒュゴオオオオオオオ




スゥ……


スゥ……






スゥ……













ビュオオオオオオオオッ












ガタッ


「……は?……マジか」



ガササッ




「すまん、ちょっと起きてくれ」

「んー……?どうした?外から連絡があったか?」

「いや、あの石像見てくれ」

「んー?……い゛っ!?」




ヒュウウウウウウウ




「さっきまで、仰向けだったよな?」

「あ、ああ」

「こ、こっちに顔、向けてなかったよな?」

「……あぁ」




「………………」

「………………」




「俺がココに残るから、保場教授を呼んできてくれ、異常事態だコレ」

「いやいや、一緒に行こうぜ!?」

「その間に外か 連絡があるかも知れない ろ」


「解った、すぐにザザッ ザザザ戻って るザーザッ


「頼 だぞ。……んザザザッ ザッ ザザ?なん アザザザザレ」


あん?…ザザーッ…蛇、か? ぁザザザ ザザッ行っ」


「え        ザザザ ザー……













ゴトッ


 ゴトッ



































ヒュウウウウ




























『ウワアアアアアアアアアッ!?』
















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