第15話 再びの最終決戦!



(ん? ここは……)


 いつか見た光景が目の前に映っていた。


「タクト! サポートしてくれ!」


「おっけー、タイガ! なんじの秘めたる力、具現化せよ! “アグレッシブ・ウエポン”! 汝よ、万事に耐える体になれ! “ディフェンス・ザ・ボディ”!」


「タクト! 私の攻撃スピードを上げて!」


「任せろ、ミユキ! 汝の体は疾風の如く! “ハイ・スピード”!」


 タイガとミユキは真正面から魔王に突っ込む。それをサポートしながら俺は、攻撃魔法で援護攻撃を行う。


「グギャー。まだだ、まだ終わらぬ!」


「タクト! トドメを頼む!」

「タクト! トドメよ!」

「わかった! 詠唱時間を稼いでくれ!」


 タイガとミユキは猛攻撃を仕掛ける。タイガは魔王の右側を、ミユキは左側を中心に攻める。そして、魔王は一瞬怯んだ。


 キーーーーン。

(うっ! 頭が痛い)


「タクト……タクト! 私はここにいる。助けて!」

(この声は……マオ! どこだどこにいる!?)


「“ラスト・ミラー”を使って!」

(“ラスト・ミラー”……か。わかった)

 俺は魔王に向かって「汝の真実を写し出せ! “ラスト・ミラー”!」と唱えた。すると、魔王の体は無数の光の粒子に包まれ、ひとりの女性が現れた。


「タクト……! タクト!」

「マ、マオ……?」

「タクト! 助けてくれてありがとう!」

「マ、マオ? 本当にマオなんだな!」


 俺達は久々の再会を喜び合った。タイガとミユキは、しばらく呆然としていたが、状況を把握したらしく一緒に喜んでくれた。


 俺は不思議な体験をしてここに戻ってきた。今となっては確かめようがない。どちらが現実でどちらが夢か。


 とにかく、確かなことは今の俺は幸せだということだ。



~Fin~



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【黒歴史な小説】異世界から現代に飛ばされた最強魔術師だった俺のリアルな世界 とろり。 @towanosakura

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