第7話 王都への道

それから街の外や闘技場近くにある訓練場でウロボロスと特訓をしたり、ボールドやシータケと親交を深めたりして過ごしていたある日、南ギルドの前には似合わない身なりのいい人が立っていた。


「マサトシ様ですね。キーサ様からのお手紙を届けさせていただきました」


手紙を受けとるが帰る様子がない。ちゃんと読むのを確認するまで帰れないのだろうか?


仕方がないので開封して手紙を読む。



遅くなってすまない。

とりあえず君を王都にあるマモモン学園の編入性として推薦しておいた。君がいろいろな場所を旅したいことは知っているが、まずは王都で王国内の情報を収集してはどうだろうか?その間マモモン学園で学べばもっと成長できるだろう。学園にかかる費用はノイバウアー家で持つ。学ぶものがなくなれば途中でやめてしまっても構わない。

早く強くなって戻ってきて全力で戦おう。


封筒の中に学園の推薦書と君の身分を証明するためのバッチを入れておいた。

良い旅を



貴族の割にはずいぶん簡潔な手紙だった。いや手紙というよりも早く戦いたいから早く強くなれといった命令のようだ。なんだあの人戦闘狂か?道で目が合っただけで戦闘になるなんてないよな?


まあ今後の予定は特に決まっていないし、せっかく推薦してくれたようだから学園に通ってマモモンのことを学ぶのも悪くないか。辞めてもよいと書いてあるから長くとどまることになりそうなら辞めて旅を続ければいいし。


手紙を届けてくれた人が俺が手紙を読んでいる間もずっと立ってこっちを見ているんだけど返事をすればいなくなってくれるかな?


「手紙の通りにとりあえず王都に向かってマモモン学園に入ってみることにします。便宜を図っていただきありがとうございます。キーサ様にお礼を伝えてください」


手紙の男は一礼して音もなく去っていった。


あの人足音ないんだけど?怖い。



南ギルドの人たちやボールド、シータケそしてシンとリリに挨拶をして街での用事を済まして王都に向かうことにした。



「マサトシが帰ってくるまでに僕がチャンピオンになって待っていますよ。君もライバルトして強くなってきてください」

となんか少し偉そうなボールド。



「僕はキーサさまに憧れているけど僕自身が強くなりたいわけではないんだ。今度会うときはもしかしたらブリーダーになっているかもしれない。その時はマサトシのマモモンもケアさせてくれ」

とガタイがいいのに優しい職業を目指しているシータケ。



「マモモンをいっぱい捕まえて闘技場で賞金をもらって孤児院の皆にいっぱいご飯食べてもらうんだ!」

と可愛いことを言っているシンとリリ。



他にもギルドの受付嬢や宿屋のおかみ、売店のおっちゃんにマモモンの捕まえ方を教えてくれたおじさん。ショップ定員やスロット店で知り合ったおばさん、景品引き換え場にいる声しか聞けない人。


短い期間だったがいろいろな人と知り合うことが出来た。


俺たちの旅はまだ始まったばかりだ。


火の中水の中草の中森の中、マモモンを見つけに行ってやる。

いつもいつでもうまくいくなんてことはないと思うけど、

帰ってきたときにはゴルドーのチャンピオンになってーやるー!

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

まものもんすたー 智者猫 @bltsand042045

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ