第6話 最後の世界 ファーミーリィ

扉を開けると、その先には 

 懐かしさを感じる匂いと空間が

             広がっていた。

辺りを見渡してみると、

どうやら屋敷の中に入ったようだ。

奥には部屋の入口の扉が見えた。

俺は部屋の入口まで歩き、扉を開けた。

その部屋の中には3人いた。

 料理人

 激しく踊ってる人

 お茶を試飲してる人


情報を集めるにはここにいる人に

お話を聞かねばならない


僕は近くにいたお茶を試飲してる人に

近づくと、相手の方から声をかけてきた。

“やあ!俺はニンダジーさ

お茶の魅力を発信するために茶屋を営んで

いるよ!”

“早速だがお茶の魅力を伝えるね”

(ニンダジーの目の色が変わった)

 “お茶にはいろんな種類の味があるけど

俺はお茶の葉から抽出する味や香りが

楽しめるところが良いんだ。

俺が好きなのは中国から来たジャスミンや

南アフリカのルイボスやな

どちらも味、匂い、共に好きやねん

ジャスミンはお花の匂いがするから

お花が好きな人はオススメかな

一方で、

ルイボスは匂いから苦味を感じるかも

だからコーヒーの匂いが好きな人には

良いかもしれんな

俺は特にジャスミンが好きやから

 是非試してくだされ”


‘そうなんですかー

  ちなみに今は何を試飲してるの?’


“これはバタフライピーというお茶だよ”

“このお茶はあることをすると

色が変わるんだよ

それが有名で人気が高いんだ!

そのお茶に何か、工夫を出来たらいいなと

思って試していたんだ!”

“飲んでみる?”


‘いいんですか?’

(そう答えるとニンダジーは

バタフライピーをカップに入れて

差し出した。)

‘頂きます’

(スーッスーッスーッ)

(ゆっくりカップを皿の上に置いた)

‘不思議な味がしますねー

 ‘なんだろう?なかなか言葉にできないけど

  飲む場面や状況によって味が変わるようなそんな感じがします’

“そうだねー

  特にバタフライピーは紫色だから

飲む場面や状況によって少し味が

変わるかもしれないねー”

“お茶は奥が深い飲みものだから

  是非色んなものを試してみて!”

‘そうですねー

 ちょっとお茶の旅で静岡にいきたいなー’

“おうおう、行動が早いなー”

そう告げながら、ダージリンは後を去った。


すると、背後から視線を感じた。

後ろを振り返ると、激しく踊っている人が

私の方を見ていた。

そして、目でこっちへ来いよと合図を

してきた。

俺は踊っている人の方へと歩き出した。


(よお!)

(俺はニイゾウ•ダイメンだ! よろしく〜)

(ダンスを教える仕事をしてるんだー)

(今は振り付けを考えているのよー)

^陽気なアップテンポの曲が流れている^

(挨拶がてら、俺が考えた振りを見てくれよ)

ダイメンは部屋の真ん中に移動して目を瞑る

その後、陽気な音楽が止まり

部屋の雰囲気がガラリと変わる。

すると、ダイメンはカウントダウンを始めた

3••••2•••••1•••••••••0•••••

^ゼロになったとき、ロックな音楽が流れ、

ダイメンは音楽に合わせて踊り出した^


俺はダンスをあまり見たことがなかったが

踊っている姿を見て思わず感動した。

何故なら、音楽の細かなリズムに合わせて

指先から足先までの全てを使って楽しそうに

踊っているからだ。

特に強弱をつけた、しなやかな動きには

思わず、自分の拳を突き上げた。


ダイメンは私が拳を突き上げたのを

確認すると、頷きながらテンポを落とし、

決めポーズを決めたのだった、、、


俺はこんな短時間で心を掴まれるなんて

初めての経験だった。

愕然としていると、踊り終えたダイメンが

再び声をかけてきた。

(今日は俺のパフォーマンスを見てくれて

ありがとう)

(なんかパフォーマンスの感想か

質問あったら答えるよ)

本日は素晴らしいパフォーマンスを

ありがとうございました

踊っている姿を見ていて、これは

芸術作品と同じくらい、細かな動きや表現から何かを訴えようという気持ちが伝わって来ました。

(貴重なご意見をありがとうございます

僕が伝えたいことがダンスを通じて

伝わったみたいだから嬉しいよ)

(もっとたくさんの人に感動を与えることが

できるよう頑張ってくるわー!)

ダイメンはそう答えると

華麗なステップで扉を出て行った。


ダイメンの足音が聞こえなくなっていくと

同時に奥からおーいと聞こえる。

視線を奥の方に向けるとキッチンが見えて

そこには人が立っていた。

俺に指を指してて、こちらへ来いと合図を

出したから、

素直に、俺はキッチンに向かった

/やあ、こんばんは/

/料理人をやっているニトル•ショコラムよ/

キッチンに近づくとたくさんの食材が

目の前の机に並んでいた。

“何を作るんですか?”

/それはねー 

 オムライスだよ!/

“へー卵は置いてあるけど、

他に大葉やキャベツやちくわがあるから

オムライスは思いつかないなー”

“大葉やキャベツ、ちくわも使うの?”

/ちくわは他の料理に使うかなー

 オムライスには大葉とキャベツを入れるよ

  今回は特別にちくわと卵を使った料理も

オムライスと一緒につくってあげるよ!

“お腹を空かせていたので喜んで〜”

/オーライ!じゃあちょっとまっててね/

(ショコラムは手を洗い、フライパンを

出して、料理を始めた)

“シェフになったきっかけはありますか?”

/きっかけは、10年前の小学生の時、

留学してきた人が日本の給食の味が

口に合わなかったみたいでそれをみて

何か私にできることはないかなーと

思って、シェフの道に進んだんです/

“そうだったんですね…素敵です!”

(会話をしているうちに料理が完成した)

/お待たせしました!

 オムライスッキャの青紫蘇添え

 やーちくわさんのインエッグです/

“オムライスッキャからいただきます”

(もぐもぐもぐもぐ)

“ふわふわの卵にキャベツの食感が良いアクセントを演出してそこに青紫蘇の香りと味が

包みこむ感じがいいですね

万人受けする味ですかねー”

“やーちくわさんもいただきますね”

(もぐもぐもぐ)

“こちらはちくわの中に卵がとろとろ状態で

入ってるから、ちくわを食べた時の弾力と

卵のとろとろで二つの違う食感が味わえて

新鮮味があっていいですね”

/素敵な感想をありがとうございます/

/僕が求めていた感想をくれたから

 大変嬉しいです!/

/好みは別れてしまう料理かもしれないので

まだまだ未熟ですが、いつか多くの子供たちが喜んで食べてもらえるような料理を考えて

学校の給食のメニューに出してもらえるように精進していく所存でございます/

“とても素晴らしい計画ですね!

         頑張ってください!”

(ショコラムは満足そうにキッチンを後にし、

 部屋の外に出ていった。)

(カラン、カラン、カラン)

(•••••••••ベルの音が聞こえて来た!)

(ベルの音が聞こえる方には扉があった。)

“ゲームマスターが呼んでいるのだろう”

(俺は扉へ向かい、扉の外に出た)

(•••眩しい光が視界を奪った)


[おかえりなさい、スロフォ•ガポン様]

[早速だか、問題だ!]

[バタフライピーを差し出してくれた人の名

その人が行きたい場所や好きなお茶を答えよ]



A—————

バタフライピーを差し出してくれたのは

茶屋を営む”ニンダジーさん”で

好きなお茶はルイボスとジャスミンや!

そして静岡に行きたい!!

•••••正解!

よくぞ!ここまで来たな!

おめでとう!

これで君とはここでお別れになる

君はこの私が持っているボタンを押すと

ワープホールが床に出現して

君がいた世界へ戻れるよ

じゃあ、心の準備はいいかな?

“う、うん”

(ポチッ)

(ボワァボワァ、、、ワープホールが出現)

“うわぁーーーーーーーーー”

(ワープホールに吸い込まれ、

     俺は意識を失った)

“!!!!!痛っ!”

  (気づいたら床に座り込んでいた)

(異世界の記憶はゲームマスターが居たこと

のみで、それと以前の記憶が蘇った)

“ここは、どこだ!?”

(長机とソファが部屋に置かれている)

(少し見覚えのある部屋のようだ)

(ちょっと違和感を覚えるのは長机もソファも

袋がかぶっている)

“もしかして、これらは家具店で買ったもので

新居に帰ったってことなのか?”

“でも待てよ!家まであの日、帰った記憶は

何一つ覚えていない!”

“まぁとにかく、なんか疲れた!”

(俺はソファに手を出し、袋を開けて

             取り出した)

“記憶を整理しなきゃだから

 少し休憩するかー”

(俺はソファーに寝転び、目を瞑った)


お帰りなさいませ!!!!!!!!!

 “スロフォニガポン様!”

えーーー!お父さん!お母さん!



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ネーム ひゃく蜂 @Shiyo4456777

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