不味サ忘レズ、供エモノノ選択ハオ前タチノフィクションダトシレ!

釣ール

ドウセオ前タチハワタシヨリイイモノクッテンダロウ?

 相変わらず誰も来ない場所に祠がある。

 先人はよくこんな穴場を探せたものだ。


 大したことはしたことがないのに。

 ただ洪水や飢饉ききんが勝手になくなっただけなのに。


 時は令和。

 別に昭和に思い出はなかったが、平成にはあった。

 あまりいい記憶ではない。

 料理が苦手そうで何やら機械を二つ持っていた柄の悪い女性が愛だのなんだのいいながら祠に供え物をしてくれた。


 それはありがたかったのだが色々振り返ると愚痴が湧いてくるので吐かせてもらおう。



 あの不味さは忘れられない。

 料理下手ならともかく手抜きを愛情なんていったあの人間を。

 だったら買えばいい!買ってきて言い訳をすればいい!

 チョイスが下手だってよぉぉぉぉぉぉぉ!


 あれ以来買い食いって最高だと思ってしまった。

 日本ならまだ安く買えたし、大多数がバカにするジャンキーなあの味は手抜きかつ言い訳するにしても難しい愛情なんかよりも一定で味が良くてスリルがある。


 そうか。

 一時期公務員が夢として流行っていたのはこれなのか。


 そういうことなのか。

 手抜きで不安定な運要素が絡む愛情なんかよりも安定と確かな学歴で安全な友人や周りに上から肩書きを語れていた人生を欲したいと。


 そりゃそうだ。

 それだけでも「幸せ」だ。


 永遠に改善されることのない負の側面ぐらいしか取り柄のない人間どもとのやり取りなんかよりも美味しくてダメージが残る、誰かのある時は淡白。

 名前を覚えてもらえれば親しく、そして気がついたら去っていく。


 外食最高!

 スーパーやドラッグストア最高!

 不安要素なんか「買ってきた」で統一して欲しい。


 自炊だってピンキリ。

 フィクション見たり家計簿見ると自炊に憧れる。


 いいんだよどうせカレーとシチューと肉じゃがと味噌汁となんらかの簡単で量も多く長く食べられるメニューを覚えれば!


 鍋だ!冬以外は見つからないらしいがそれで充分。


 どうせ手抜き。

 愛情だなんて言葉だけでしか表現出来ない一部の人間の手抜きなんざ外来種も食うのかなあ?


 そして。

 私は誓った。


 脳で覚えた不味さをはらうために、一矢報いてやろうかと。

 不味さを覚えさせてくれたお礼に最大の手抜きで人間を屈服させてしまおうと。


 あなたの手抜きと言葉選びの馬鹿さにいつも痺れを切らすワタシの恨み…はらさでおくべきかとねぇぇぇぇ!


 嫌な人間だったかと言えばそうでもない。

 だから憎む。


 おかげで人間じゃないのに祠以外の場所へ行くようになった。

 待ってるだけじゃ美味いものは食えない。


 いい教訓だ。

 最初にまつられた時はこんな贅沢者じゃなかったのになあ。


 はあ。

 こんなはずじゃなかった。

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