第75話 ガールズトーク
――――【ゼル目線】
トウヤにメルフィナと二人で話がしたいと伝えたら、あっさり許可された。
私のビキニアーマーを分捕り、身につけたメルフィナと……そ、その……あの……男女のまぐわいをしようとしていたはずなのに、それを抑えて……。
それに私が上手く扱えなかっただけで、折れたレーヴァテインは完璧に直っているどころか以前より振りやすく切れ味も増している。
掛け値なしに素晴らしい男性と出会えたメルフィナがただただうらやましかった。
ポヨン。
私はメルフィナの豊満な胸に顔をうずめる。ふわふわとした心地よい感触が私を包み、聖女の恩寵を受けたかのような気分になってしまう。それどころか、私がメルフィナに抱いていた嫉妬心がすべて洗い流されてしまうようだった。
「相変わらず、すごい乳だな」
「ゼルは大きくなりましたね」
「私に敬語はいらん。昔みたいに話せ」
「そう? 一応、帝国四魔将の地位に敬意を払ったんだけどなぁ」
「元四魔将だ。もう帝国との約束も果たした」
皮肉っぽい言い草に私はメルフィナの乳を掴もうとするが……。
「ひゃんっ!? ゼル、なにを!?」
私の手はまるでスライムを手掴みしたかのようにズブズブとメルフィナの乳へと吸い込まれてしまう。
「貴様は毎晩トウヤに抱かれ、このように乳を揉まれているのか!?」
白く美しく大きな乳を揉みしだきながら、彼女に訊ねると……。
「う、うん……。旦那さまはもっと優しく丁寧に……。でも仲好しが激しくなって、私が気持ちよくなると甘噛みしながら、強く揉んでくれるの……」
両股をすり合わせるようにもぞもぞさせ、顔を赤らめる。
訊いた私が馬鹿だった……。
幸せそうに男女のまぐわいについて語るメルフィナがうらやましくて堪らない。
「じゃあ……仲好しもしているんだな?」
「うん……」
「最初は痛いのか?」
「旦那さまは大きいけど……痛くなかったよ」
「そうなのか!?」
メルフィナは口に手を当て、恥ずかしそうにしながらも私の問いにはっきりと答えた。彼女のトウヤに寄せる信頼は並々ならぬ物がある。
憧れであり、目標であり……私の友人のようで、姉のような存在だった彼女。
私の苛立ちも、憎しみも、悲しみもすべて受け入れてくれていた。
だからこそ、自分の不甲斐なさに腹が立って……。
メルフィナは私の顔の疵を撫でるように優しく触れてくる。
「もう疵は治してもいいんじゃない?」
「まだメルフィナに勝っていない……」
「あのとき怪我を治さなくていいって言ってたのは私の身を案じてのことでしょ?」
「そんなわけない! 私はメルフィナのことなど気づかったわけじゃない」
「意地を張らなくてもいいの。ゼルが優しいことは知ってるから」
私の忌み嫌われた黒髪を撫で、あやしてくる。語気を荒げたものの、あやされると彼女に心が絆されるように傾いてゆく……。
くそう……中身は小娘とちっとも変わらないのに長いときを生きているだけあって、お姉さん面してくる……。
「私はメルフィナがうらやましい! なのに私はというとどうだ? もう行かず後家と呼ばれる年齢に近づこうとしている。だが貴様は私と出会ったときと変わらず乙女のままだ……」
「そう? ゼルもかわいいよ」
きょとんとした顔を私に向け、首を傾げたメルフィナ。
同性の私から見ても、メルフィナは美しくかわいい……。気づくと誰からも愛されそうな彼女に苦しかった過去の心情を吐露してしまっていた。
「妾の子と蔑まされていた私を対等な友として扱ってくれたのはメルフィナだけだった」
だがあろうことか私はそんなメルフィナに苛立ち、不意打ちを仕掛けたところ、彼女が私の斬撃を避けた先にあった先の尖った鉄柵に顔をぶつけてしまったのだ。
「私も実の両親と離れ離れになり、フォルトナスのお義父さんに拾ってもらったから、ゼルのことが気になっちゃった」
舌を出して照れ笑いを浮かべるメルフィナだった。聞いたところによるとかつてのエルフ狩りは私の想像を絶する酷いものだったらしいのに何故、人間に優しくできるのか……。
私がメルフィナに勝てない理由が少し分かったような気がした。
「ゼルのお父さんのクルツ伯爵が亡くなり、あなたとあなたのお母さんが迫害され、クローディス王国を去ると知ったときはどれほど悲しかったことか……。なのに手紙ひとつ渡さないで行ってしまうなんて……」
「ごめんなさい……」
メルフィナといっしょに過ごし、子ども頃を思い出していると、自然と素直な言葉が出た。それと同時に目から汗が……。
「でもこうやって再会できて仲直りできたよ」
「あ、ああ……うん……」
泣きじゃくる私に母より大きな乳を押し付け、抱きしめてくる。
「それもこれもぜんぶ旦那さまのおかげ。旦那さまが私とゼルを仲直りさせてくれて……この戦争も終わらせようとしてくれてるよ」
「トウヤという男の底がしれない」
うんと頷き、メルフィナは私の言葉を肯定していた。私もトウヤのような男を捕まえるには女を磨かなくてはいけないと思った。
そう思うといてもたってもおられずに……。
「あ、あの……メルフィナ、頼みがある!」
「本当にいいの?」
メルフィナに私の要望を打ち明けると驚いていたが、私は了承していた。
メルフィナの細く長い指が私の腹へと……。
―――――――――自主規制―――――――――
どことは言えないけど撫で撫で~♡
―――――――――自主規制―――――――――
「んおほぉぉぉぉぉぉーーーーーーーーっ!!!」
お腹を撫でられ、思わず変な声がでてしまった。
もしこれが指でなかったら……。
私はメルフィナに男との来るべき事に備えて、どのようなものか疑似体験させてもらったのだ。
「メルフィナはこれよりも凄い快楽を味わっているのか!?」
彼女は私の問いに無言で頷く。その顔は私をちらちらと見て、両手の指をもじもじさせていた。しかも私のお腹から出た汗のついた指で……。
―――――――――あとがき――――――――――
あと1まんまん文字を書けば、晴れて20まんまん文字です! とりあえず帝国編を終わらしたい。
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