第46話 ダークエルフ分からせ

「トウヤしゃまと一緒に寝たいの……ダメ?」


 あうっ、セルフィーヌが俺を上目づかいで見つめながら、訊ねてきた。思わず頭を撫でて、抱きしめてあげたいくらいかわいい。


 俺一人で判断できるものでなかったのでメルフィナを見る。


「し、仕方ありません。そのままの姿なら旦那さまも欲情されることはないと思いますから」

「私がこの子の面倒見る」


 明朝の呼び出しに備え、みんなでお休みする流れになってしまった。


 ベッドを繋げ、川の字で床についたのだが、ジュリとセルフィーヌは早々に脱落し、俺とメルフィナだけになる。すやすやと静かな寝息を立て眠る二人の寝顔を見ていると自分の子どものように思えてきた。


 もしもの場合だ。


 俺とメルフィナが見事結ばれ、彼女が身ごもった場合、こんな二人のようなかわいい子どもを授かってしまうんだろうか?


「旦那さま……お願いがあります」


 昼間の凛々しい騎士の衣服からネグリジェに着替えたメルフィナが訊ねてきた。


「ん? どうしたの?」

「旦那さまの赤ちゃんを私と……いますぐじゃなくてもいいから……欲しいです……」


 言った途端にメルフィナはとんでもないことを口にしてしまったと思ったのか、エルフの純白の肌を桜色に染めてしまっている。


「俺もメルフィナとの赤ちゃんは欲しいな」

「旦那さま……うれしいです」


 俺とメルフィナは互いに呼びかけるまでもなく上半身を起こしていた。メルフィナの肩に触れると柔らかな肌の感触が心地いい。


 それが合図とばかりにメルフィナは目を閉じた。


 俺はメルフィナの美しい唇を見て、緊張のあまりごくりと唾を飲み込んだ。ゆっくりと唇へと顔を近づけてゆく。


 あと数ミリで俺とメルフィナは繋がる。


 いますぐじゃくてもいいとメルフィナは言っていたが、もしかしたら流れに身を任せて……。


「ううん……」


 メルフィナとキスする寸前にガシッと足を掴まれたような気がした。


 構うものか!


 俺は感情のままにメルフィナとコネクトしようとするのだが、なぜか距離が縮まるどころか離れてゆくような気が……って、


「ジュリ、なにしてんだよ!」

「ジュリ、邪魔しないで」


 ジュリの鍛冶職で鍛えたハイパワーにより俺はずるずると後ろに移動させられていたのだ。


「トウヤがサキュバスに精気を吸い取られる夢を見た。だから遠ざけただけ、グー……」


 それだけ告げてジュリは横になった。狸寝入りのような寝息を立てて……。


「仕方ない……今日は大人しく寝ようか……」

「は、はい……」


 退くも戦術。


 俺もそうだが、メルフィナも残念そうにしていた。それでもメルフィナと想い合えていることだけでも心が温かくなっている。



 ホーッ、ホーッ、ホーッ♪


 外でフクロウの鳴き声がしている。


「ふっふっふっ、チョロいもんよね。私がまんまと引っかかったふりをしたら、素直に呼び込んでしまうなんて。私は最高の鍛冶職人を連れて、あのクソ陛下を見返してやるの……って、あれ? 身体が動かないわ? どうして? どうしてなのっ!?」


 みんなが寝静まったとき、セルフィーヌの声がしたので起きてみると身体を元に戻した彼女が悶えていた。


「あー、セルフィーヌ。申し訳ないんだけど、あまりにもチョロいし、怪し過ぎたから魔力を封じる手枷、足枷で拘束されてもらったんだよ」

「まさか、私の策略が見破られていたの!?」

「まあね」


 以前の俺ならまんまとセルフィーヌの策略に引っかかっていたかもしれない。だが異世界情報室で研修受講済みの俺には通じるはずがなかった。なんせあそこの前身は特高警察や中野学校出身者が多くいたと轟さんが語っていたし。


 セルフィーヌは絶世の美女に加え、かわいい子どもにもなれる。そんな彼女に告げた。


「ハニートラップや子どもに爆弾を抱えさせて暗殺する例もあるから、そういう場合は特に注意を払えって教えられたんだよ」

「ぐぬぬ……卑怯者ぉぉ……」


 悔しそうに俺を睨んでくる彼女だったが、実は起きていたメルフィナとジュリは拷問の用意をしており……。



 風呂場に移動すると手足を縛られ、下着姿にさせられてしまったセルフィーヌがお風呂用の椅子に座らされていた。


「さあ、トウヤ。分からせてあげて」


 ジュリがそんなことを言ってくるのだが、なにをどう分からせてやればいいのか分からない。


「舐めるの、身体を」

「えっ!?」

「や、やめろ! そんな私を舐めても汗臭いだけだぞ! その女の口車に乗るんじゃない!」


 汗臭いだと?


 ダークエルフの肌を舐められる機会なんてこれから生きていて何度味わえ……。


 本当にいいのか気になって、ちらっとメルフィナを見るととっととヤってしまいましょう! みたいな目で合図を俺に送る。メルフィナもジュリも加わる気らしい。


「あひっ、あひっ! らめっ、らめっ、どこ舐めてんのよっ! ひいっ! おほっ! んほぉぉぉぉーーーーーーーーーッ!!!」


 これはクローディス王国を守るための立派な任務! 俺たちは遠慮なくセルフィーヌを舌で可愛がって……分からせてやった。


「もう止めて……分かったからぁぁ……ぜんぶ話すからゆるちて……」


 快楽のあまりすべて口を割り、洗いざらいブリビン帝国の狙いをしゃべってしまったセルフィーヌ。


「さあ仕上げだ。セルフィーヌ……おまえが俺に逆らえないようにしてやる。口を開けろ!」

「な、なにをするのっ!? やだ、そんなわけの分からないものを、ンンンンンンッ!!!」


 俺はダークエルフを堕落させる逸品を彼女の口へ一気に突っ込んだ。すると口の端からダラダラとよだれを垂らして、瞳がメスになってしまったかのようにハートマークへ変わったように思えてくる。


「くくく……どうだ? 俺の逸品の味は? 旨いだろう? もっとしゃぶりたいだろう?」

「ひゃい! もっろくらはい……」


 俺たちはブリビン帝国の女将軍を籠絡することに成功したようだった。


 やはりパリピーターンの粉はやべえ。



――――翌朝。


「早く乗れ! ホルヘ殿下が直々におまえたちを呼び出しているんだぞ!」


 騎士団の駐屯所に乗り付けられた馬車にメルフィナと共に乗り込んだが、フレッド殿下の従者さんたちと違いやたらと高圧的でイラッとする。


「あなたね! 私はいいですが私の旦那さまにそのような無礼を働くことは……」

「メルフィナ、ありがとう」


 俺はメルフィナの気持ちにいたく感動したが、彼女の地位と名誉を脅かすわけにいかないので、無礼な従者にあることを告げようとしていた。


―――――――――あとがき――――――――――

メガニケ、まさかのリゼロコラボですってよ。作者、ちとビックラです。意外とリゼロ知らないなんてコメントを見たり、世界感と合わないなんてご意見も見られるんですけどね、作者は無問題。なんと言ってもエミリア、レムラムのおしりが揺れると思ったら、興奮を抑えきれないのですよッ!!!

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