第2話 無意識から意識への変化
同じ工場で働く照美は、いつも喫煙場で笑顔で話すたかしが気になっていた。
照美は、誰とでも仲良く話す明るい性格で、いつも笑顔の女性。
喫煙所で話すときも無意識にたかしのことを目で追っていた。
たかしも近くにいる照美をふと見ると目が合う。
お互い気になる存在になっていたのだった・・・。
気になる人のことをもっと知りたいという思いから同じ部署の人に
「あの人いつも笑顔で楽しそうだけど、どんな人なの?」
と聞くようになっていた。
「みんなと仲良く話すし冗談言って笑わせてくれたりいい人だよ。」
と同じ部署で仲の良い人は言っていた。
「どうしたの?気になるの?』
といじられた照美は
「一緒にいたら楽しそうだなあと思って気になってるかな。」
と照れながら答えた。
「独身で彼女いないし話しかけたら良いのに」
と言われるが
「気になる人には声かけてほしいなと思って待ってるんだけどなかなか話しかけてくれなくてさ。目が合うんだけどね。」
と寂しそうに答えた。
「向こうも意識してんじゃない?そういえばショートヘアの女の人がタイプって言ってたよ。」
と肩を叩かれ言われた照美は
「そうなんだ・・・。」
とだけ答えて仕事に戻った。
その週末、休みの日に美容院にいた。
ショートカットにした照美は、今日は話しかけられたいなと思いながら仕事をしていた。
周りのみんなからは
「ショートにしたんだね。似合ってるね。」
と言ってくれて嬉しかったが、たかしから言われたいなあと思っていた。
休憩になり喫煙所にいるたかしは、照美がショートヘアになっているのに気付いたが声を掛けられなかった。
照美は、待っていたが声を掛けてもらえずショックだった。
やっぱ私に興味ないのかな・・・。
と照美は落ち込んだ。
可愛い。とたかしは思っていたのに、何て声を掛ければ良いのか分からず話かけられなかった。
そんな、たかしと照美はその後何度も機会はあったが、話すこともできずに時間だけが過ぎていくのだった。
蕾みのしずく 美作依織 @mimasakaiori
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