あとがき

 最後までお読みいただきありがとうございました!


 元は、「転生チートものならお気楽に書けるだろう」という、実に安易な発想がきっかけでした(厳密には転生ではなく転移ものでしたが)。いろんなシチュエーションで女の子を脱がすのは楽しいに違いない、そう確信して書き始めました。


 しかし、思ったより早くネタが切れました。そもそも羞恥系があまり好みではなかったということにも改めて気づいてしまい(だから恥じらわないパターンがかなり多くなった)、モチベーションが薄れて数ヶ月単位で休載したりしました。


 途中、自分自身に対するテコ入れ(好きなタイプのキャラを入れれば筆が進むだろう)として幼馴染のミキを登場させました。1話からちらっと登場していますが、連載中は存在を忘れていました。モチベ復活のために読み返しているうちに気づいてねじ込んだというのが真相です。


 ミキ登場後はイチャラブ路線にしようとしましたが、そうなると看板の「脱衣」が使いづらくなり、結局は打ち切りのような展開で巻くことにしました(書きたい場面はほぼ書ききっていたので)。過去編(ミキの冒険)や学園生活編などのスピンオフを匂わせていますが、これはパロディみたいなものであり、今のところ書く気はございません(期待された方はごめんなさい……あなたが書いてもいいんですよ!)。


 ただ、本作のキャラクターを他の作品にゲスト的に出すことはあるかも知れません。当初の期待ほどではありませんでしたが、なんだかんだで楽しく書けた作品には違いありませんので。


 一つだけ主張させてもらうと、ラストの帰還エンドは「現世に絶望する転生もの」に対するアンチテーゼです。やはり現実こそが一番おもしろいのであり、創作の世界を逃避の場にするのは不健全だと思うのです。古臭い考えでしょうし、私自身が恵まれているからそう思うだけというのは重々承知しておりますが。


 余談ですが、書き始めた段階では「ラストに女神様を完全に裸にする(謎の光が消えるまで)」という場面を入れるつもりでしたが、テコ入れとしてミキをねじ込んだ結果、入れる余地がなくなってしまったことをここでお詫びしておきます。


***


メインキャラ解説


【ケン(健太郎)】


 名前の由来は「野球拳」から(私のペンネームの由来でもある)。「ケン」だけでも良かったのだが、「健太郎」を本名とすることで多少の深みを出したつもり。欲望に正直だが冷静なところもあり、都合よく動かしやすい主人公。



【イリス】


 『ウィザードリィ』のあるあるネタで、鑑定役の司教(ビショップ)が呪われた装備まみれになるというシチュエーションというのが、そもそも作品の思いつきのきっかけである(なおエルフなのは、司教にもっとも適したパラメータのため)。これを異世界からの転移者である主人公が華麗に解呪したらかっこいいだろうな、いっそ解呪だけでなく裸にしたら面白そうだぞ、といったところ。


 ですます口調で気弱な感じだが芯はしっかりしている、どこか謎めいたところがあり、それはラストシーンまで尾を引いているという感じ。魔法使いとしての実力は最後まで中級程度。


 イリスといえば虹の女神だが、なぜこの名前にしたのか思い出せない。二つ名は「糸杉の森」。糸杉とは西洋ヒノキのことで、ドラクエの「ひのきのぼう」を意識していた気がする。あるいは『アラビアの夜の種族』も頭にあったかも知れない。最後のオチについては最終話を書きながら思いついたので、日本人っぽい名字になったのは偶然。


 ブルーリボンがエクスカリバー(ロングソード+5)になるのは知る人ぞ知るネタだろうか。鑑定の動作を挟んだのも別のバグ技を意識している。



【アリシア・アイヒェブルク】


 直情型の女騎士といった造形。主人公の能力を思いついた時点で亡霊鎧と戦わせる展開が決まり、その顛末として騎士の家が必要だと判断し、どうせならそこの家の娘を仲間に加えたら良さそうだと判断。


アイヒェブルク(Eiche Burg)はドイツ語で「樫の城」(文法的に合ってるかは知らない)。この頃はイリスの「糸杉」と並んで、木にちなんだ名前を付けようとしていた気がする。アリシアの由来は覚えてない。



【リン】


 ケンが「マイ箸」を作るあたりから、アジア系の文化圏の出身者を出そうと思って、安直だがわかりやすい格闘家のチャイナ娘を出した。メイン女性陣の中では少し擦れた性格に。名前の由来は特に無いというかフィーリングで決めたと思う。


 脱衣からの全身気功攻撃は思いついたときは上手くやったものだと思ったが、それ以降は出番がなかったのはちょっと失敗だったか。



【ミキ(美希)】


 物語解説で書いたようにテコ入れ要員である。第1話の時点ではエピローグまで出すつもりはまったくなかったのだが、行き詰まったので「第2の勇者」として転移していたことにした。ひたすらデレさせたのだが、非常事態だからこそ秘めていた気持ちをぶつけられたのだろう。


 名前は呼びやすい2文字で頭文字が被らないのを適当に選択。なんとなく使いやすい(身近に同名の人がいないというメタ的事情も含め)からか、単発作品などでも「ミキ」という人名を自然に使いがちである。


 コピー能力の持ち主にした時点でラストの展開をうっすらと決めていた。結局、脱衣以外のコピーのついてはほぼ語れなかったのは失敗か。



【フィーナ】


 終盤の展開を巻いてしまったため、ほとんど出番がなかった不憫キャラ。ツイッターでのやりとりで「ボクっ娘」を出そうと決めて、入れるとしたらミキの従者ポジションかなと思ってねじ込んだ。最終的に6人パーティになったのは収まりが良かったかも(ウィザードリィ的な意味で)。


 なんとなく金髪にしてしまったがビジュアル的にイリスと被ってしまった。どうせなら褐色肌とかにしたほうがよかったかも。


 魔法戦士として出したつもりが失念してほぼ魔法使いタイプになってしまった。まあイメージとしては魔法使い→戦士の転職直後みたいなものだと思っていただければ。名前の由来は頭文字が被らないのを適当に考えた気がする。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

チートスキル「脱衣」は世界を救う! 矢木羽研(やきうけん) @yakiuken

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ