第4章 『大暴投』
-大暴投している投手-
私は、ゆかりの今の状況をそう例えた。
音が外れているし、なにより歌い方が適当で私は魅力を感じていなかった。
しかし、魅力的な低音は誰にもない個性だと思った。
だから、ゆかりにこう言った。
〝いいか、オマエは誰にも真似できない剛速球が投げられるピッチャーなんだ。
ただ、ストライクに入らず大暴投しているから、周りから評価されていない。
ストライクに入るようになれば、認めてくれる人は必ず増える。
それをこれからしていきなさい〟
ゆかりは泣いていた。
自分の声が嫌いで、レッスンでは否定されて来たとも話していた。
それを、認められるのが嬉しいと言った。
すこし、安堵したのか、こわばっていた顔が、やや優しくなったように見えた。
ただ、そうは言ったもの、どうやって外している音程を直しながら、魅力を損なわずに歌唱力をあげていくのか。
かなり悩みどころだとも感じていた。
というのも。
私は、ある程度歌える人に演出面から見える歌唱レッスンをしてたのであって、ボイトレスクールや、これから歌うようなレベルの人にちゃんと教えた事など無かったからだ。
課題は山積み。
ある意味、未知の戦いの始まりだった。
私は、動かされた ~依祈縁 サイドストーリー ~ @tv_gandhi
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。私は、動かされた ~依祈縁 サイドストーリー ~の最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます