『雨の日について』

小田舵木

『雨の日について』

 朝5時に眼が覚める。

 昨日は20時に床に着いて、中途覚醒が1回。

 私にしては眠れた方である。

 

 しかし。目覚めは悪い。

 と、言うのも。中途覚醒した時にカクヨムを確認したのだが。

 過去に投稿したエッセイに厳し目のレヴューが付いていたのだ。

 内容については妥当なレヴューだった。私の文体が読みにくい、という指摘だ。

 私は眠い頭が軽く覚醒し、悲しみに満たされるのを感じたが、二度寝をキメた。

 

 渋々とこから起き上がる。

 そして朝飯と煙草。煙草を吸っている最中に気づく。

 ああ、後1本しかないと。

 仕方ない。

 身支度をして、コンビニに出かけようとする。

 

 玄関を開けると。雨模様。

 暗い空から雨粒がシトシトと落ちている。

 私はテンションが下がるのを感じる。

 何せ。私は雨という天気が苦手なのである。

 

 雨。古来から農耕民な私達は喜ぶべき天気だが。

 高度に工業化した今の社会では。雨は憂鬱な天気でしかない。

 私はうつだが。うつ病というものは案外あんがい天気に気分を左右される。

 晴れれば、うつ気味な気分も晴れるし、雨が降れば、日照がない事によって気分が下がる。それに低気圧で頭が痛くなる。

 

 ああ。今日、一日雨が降るのだろうか?

 私は携帯の天気予報アプリを確認して。昼には曇りに移行することを確認する。

 それで少しは気分が晴れるが。窓の外は雨降り模様。

 シトシトという音が静かな早朝の街を満たしている。

 

 雨。

 何で私は雨が苦手なのだろうか?

 単純に面倒な事が増える、という点もそうだが。

 それだけでは説明出来ない何かが私の雨嫌いにはあるように思える。

 

 …そう言えば。

 私の人生の節目にはよく雨が降っていた。

 学生の頃は転校で引っ越しをする日に限って雨が降っていたし、就職し、初の出勤をした時にも雨が降っていたように思える。まあ、曖昧な記憶だが。

 

 そうなのだ。

 嫌な記憶と雨が分かち難く結びついてるように思える。

 だから私は雨が降る度に落ち着かなくて憂鬱な気持ちになるのかも知れない。

 

 雨は農耕民にとって、恵みである。

 だが。今や農耕民は少ない。ウチの家系だって農耕民が少ない。

 だから。雨に感謝なんてあまり出来ない。

 水不足が起きやすい福岡県に住んでいるが、最近は治水の技術の発展のせいか水不足になった事はない…と思う。

 

 私は傘というモノが苦手である。

 雨が嫌いだと言う前に。傘が苦手なのである。

 歩く時くらい手元はブラブラさせておきたい。

 だが。雨で傘を差せば。片手は塞がってしまう。

 それがなんとも面倒くさいのだ。

 

 後。湿気るのも頂けない。

 私は汗っかきで。普段から湿っているのだが。

 雨が降ればその傾向は更に増す。

 顔面周囲に一番汗をかくのだが。そのせいか頭、髪の中が致命的に蒸れるのだ。

 これは髪を短くすれば済む問題だが。私は髪を切るのが大の苦手なのである。

 

                  ◆

 

 …ここまで雨の事を悪し様に書いてきた。

 だが。雨にも良い側面もある―はずである。

 そもそも天からの恵みなのだから。

 私は雨が嫌いなので悪く書きがちだが。あまりにも悪し様に書きすぎた。

 そろそろポジティブシンキングの時間なのである。

 

 とは言え。私の精神は雨を宿命的に嫌っている。

 さぁて。雨をどうポジティブ捉えようか?

 私は良くない頭をフル回転させる…

 

 雨が降ると。

 外気温が少し落ち着くのは良い事だと思う。

 夏であれば少しは涼しくなるし、冬であれば少しは温まる。

 これは認めなくてはなるまいて。

 

 それに。

 雨が降るとお店の類は雨の日のキャンペーンを張る。

 ポイントカードがあればポイントの倍率が増えるし、何なら雨の日セールだと銘打って商品が安くなることがある。

 それに。スーパーなんかだと。夜の売り切りが早まるのも良い。

 私はそこまで夜遅くにスーパーに行かないので。惣菜の売り切りが18時に始まるとテンションが上がる。

 

 後は…最近出来た趣味の話になるのだが。

 釣り。海釣りは天気が良い時より悪い時の方が釣れる気がする。

 晴れていると。海の視界が良くなり、仕掛けや釣り糸が魚にバレるのだ。

 だが。曇っていたり雨が降っていいれば。海の視界は悪くなり、仕掛けや釣り糸が魚にバレにくくなるような気がする。

 まあ、少ない経験から弾き出した理論だが。

 

 うん。雨も悪い事ばかりではないような気がする。

 まあ…今日は仕事に行くので。あまり恩恵を受けれないのは残念だが。

 

 窓を眺めればまだまだ雨模様。

 下手しい一日雨が降るのではなかろうかとさえ思える。

 …気象庁のサイトを確認してきたが。

 雨のち曇り…午後には雨が収まるかも知れない。

 ああ、憂鬱である。

 憂鬱なお陰で唯でさえ拙い文章が更に拙くなっている気がする。

 …雨の良いトコロをもう一つ見つけた。

 調子が悪いのを全て雨のせいに出来る、という点だ。

 

 

 

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『雨の日について』 小田舵木 @odakajiki

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