01-13

 タイムリミットの二時間前に僕は扉の前に立った。扉は、ずっと僕の部屋の中で静かに待ち続けていた。


真里那と付き合う前の華里那とはもう出逢えないけど、二人へ抱いていた後悔は、清々しいぐらいに消えて無くなかった。


過去に戻った僕は、真里那への想いを伝えること、そして、真里那の想いを確かめることもできた。その刹那の優しくて、麗しい表情。僕は一生忘れることはないだろう。


「支配人さん。七年後の五月二十三日、十六時に戻らせていただきます」

「悔いは残っておられませんか?」

「はい」

「かしこまりました。それでは、宮部様のご帰還を許可します」


扉が静かに開く。閃光を発するその向こうへ、僕は全身を投じた。

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