久里 琳さま
こんにちは。
「たぶんひとつにはここにいるやつみんな例外なくKを愛した仲間たちなんだってことが、ぼくらの若い自然治癒力を俄然活性化させたんだと思う」
これは残されたものが生きるための必須の力であると同時に、畏怖すべき力でもあるとも感じます。集団になったからこそ発動した生々しい力。それぞれが一人でKの死に向き合っていたら、ここまで急速に治癒されることはなかったでしょう。
Hの憤りに安易な共感はできないけれど、全員が同じ方向を向いてしまう結果にならなかったということで、Hにありがとうと言いたくなります。
「Kの死」と繰り返すたびに『こころ』の葛藤を意識させられます。
作者からの返信
応援ありがとうございます!
集団の中にいるからこそ効いてくる力というのはありますね。畏怖という言葉で表されることに、その特質が表れていると思いました。
その強い力を以てしてもHは癒やされませんでした。彼は他の友人たちより身近にいたからこそKの自死に責任を感じて、巨大な力で癒やされることを拒んでいたような気もします。
そういえば下宿で自殺したのもKでしたね。カフカの蟻地獄に落ちていくような主人公もKでした。小説世界のKにはなにか呪いがかかっているのかも。。
Kのことをうやむやに済ませてしまった大人社会に、これから入っていくわけですね。
楽しかった学生時代との対比がすごくくっきりと現れています。
社会に出ることに不安はあるでしょうけど、この日、みんなそれぞれが何か大きなものを学んで一歩大人に近づいた気がしてなりません。それは決して悪いことではないのだと、信じたいものですね。
作者からの返信
応援ありがとうございます!
学生時代が輝いていたからこそ社会での理不尽を乗り越えられるという面もあれば、逆にギャップに耐えられないということもあるかもしれませんね。
たしかにこの日の経験が彼らを大人に近づけたような気がします。挫折感や怒りさえも糧にして、たくましく生きてほしいですね。
『二十歳の原点』を18歳の時に読んでいたハナスです。こんにちは。
まさか、あいつがっていう人が自死する時、周りは衝撃的ですね。
しかも友達だったら色んな感情が渦巻く。
丸めこまれたという表現がリアルです。理不尽な現実を突きつけられた中で
どう展開していくのか気になります。
さらに気になるのはタイトルです。
一番福音に遠いユダの名前が!更新お待ちしてます♪
作者からの返信
お越しいただき、ありがとうございます! ☆もいただいて、ありがとうございました!
『二十歳の原点』は、二十歳を迎える準備の段階で読むのがいいのかもしれませんね。けっして自死の心準備ではなく。
友達が自死したときの衝撃は言いようがないですね。無力感にしばらく苛まれます。現実の壁に丸めこまれつづけるのが人生なのかも、、とまたネガティブになったりして。。
5人目の福音書記者がもしユダだったら、、なにを伝えてくれるのか、聞いてみたい気がしますね。この短編集でなにを伝えられるかはまだわかりませんが、、続きもお楽しみくださいませ!
自死というものはいつだって理不尽で、不条理で、不合理なものです。
私も彼女に自殺された女性(!)の話を書きましたが、ストーリーのスタート地点が違うのもあってかこういったやるせなさまで描き切ることはできなかった。無念です。
その点、久里さんは絶妙な表現に加え、HやFを巧みに使って導き出された空疎感が胸にきます。
これからも日本の自殺者が劇的に減ることはないでしょう。
第1話完結おめでとうございます!
作者からの返信
応援ありがとうございます!
自死が周囲へもたらす衝撃は甚大ですよね。その直後だけでなく、先々までじくじくと痛みが続きます。まして恋人だったらどれだけショックかと。。そこから導かれるドラマは一様ではないと思いますが、やるせなさ、空疎感が響いていただけたのであればうれしいです。
☆もいただいて、ありがとうございました!
うまく言語化できないんですが、じわじわと染み込んでくる無力感を、受け入れるしかない諦観……のようなものを感じました。
Kが自殺したことに怒りを覚えるわけでもなく、「世の中そういうものだ」というような。そういう不条理感がすごくリアルです。
作者からの返信
応援ありがとうございます!
世界が自分の思う通りにならないことを、頭ではもちろんわかっていたけれど初めて取り返しのつかない形で突きつけられたような、その現実の前では無力感を感じないではいられないような。。「諦観」といっても悟りきったわけではなくただただ呑みこむしかないなかで折り合いをつけていく、、そんなところにリアルを感じていただけたのであれば、うれしいです。
☆もいただいて、ありがとうございました!
内省と諦め、この世の理不尽もまさにこの世代で色濃く感じますね。
作者からの返信
応援ありがとうございます!
この世の理不尽に最も敏感になる年頃ですよね。内省を深くし、諦めへ傾いていかざるを得ない、、、彼らに幸あれかしと思います。