ポン太の贈り物
ポン太は、駒子さんが大好きです。明日になれば、駒子さんは街に連れていかれます。「お金がいる」と言うのですが、ポン太には よくわかりません。
「なんだ、お金がいるのか」と言うと、ポン太は森の奥に入っていきました。青葉を一枚摘んで、頭にのせて一回転。宙返りすれば百円札の出来上がり。いつも作るのは一円札ですが、今日は特別です。ポン太は葉を摘んでは宙返り。百円の札束を作りました。
夜が更けて、ポン太は駒子さんの枕元に札束を置いて帰りました。もうこれで大丈夫。駒子さんは幸せになるはずです。
数日後、巡査が駒子さんの家にやってきました。駒子さんは縄をかけられ、連れて行かれました。ポン太は唖然としました。お札は完璧で本物と違いはないはずです。と、改めて眺めてみると……。
ジイジに「百円札は枯れ葉で作るもんだ」と教わりましたが後の祭り。「次は 失敗しないぞ」と、ポン太は言いました。ひとつ お利口になったようです。
四百字のつぶやき / 福内 鬼外 作 名古屋市立大学文藝部 @NCUbungei
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