第10話 彼の言葉

次の日の朝、私はため息を吐きながら朝の支度を終え学院へと向かった。私の心とは裏腹に空は綺麗な青空で雲ひとつもない。


「……考えるのはやめよう。仕事に集中しなきゃ」


私はそう呟いて軽くため息を吐き教室へと入り授業を進め生徒たちと話したりしながら一日を終えなんとか家へと帰宅した。



「おっ…おかえりお姉さん」


「っ…貴方昨日の……!どうして私の家に……!」


「んーお姉さんの魔力を追って来たんだよ。もっと話しをしたくてね」


「……私には話すことは何もないわ。帰って」


「酷いなぁ。俺はまだ話したいのにさ」


目の前にいる彼はニコリと笑みを浮かべながらそう告げてきた。彼が悪魔だと知らなければその笑顔は人を魅了する笑顔にみえる。


「……私には話すことは無いって言ったはずよ。」


「そんな邪険にしないでよ。何も契約しようなんて言ってないんだからさ?」


「……悪魔の言うことなんて信用するわけないでしょう……絶対に信用なんかしない。」


「そんなこと言わないでさ」


「……早く家から出ていって。迷惑よ」


「酷いなぁ……まぁいいや。契約はまた時期を見るよ。また今度ゆっくりお話しようねお姉さん……じゃなくてフィオナさん?」


そう言って彼は私の目の前から消えた。私は名前を教えた覚えはない。いつどこで知ったのか。そんな事を考えながら彼の言葉を考えていた。



「契約なんてするものですか……考えても頭が痛くなるだけ。早く明日の準備をして早く寝よう……」


悪魔なんて……悪魔なんて信じるからお母さんは……私の親友は……!



そんな事を考えながら私はベッドに潜り込みそのまま目を閉じてゆっくり意識を手放した

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白い魔法使いと悪魔の恋 華柏(こはく) @kohaku_1105

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