第3話

 陽斗は家に帰ると、自分の部屋に直行した。


 部屋のドアを閉め、デスクの前に座る。


 外の空はすっかり暗くなっていて、部屋の中だけがデスクライトの柔らかい光で照らされている。


 俺は一日の出来事をノートに書き留める習慣がある。


 今日もそのノートを開き、ペンを手に取る。


「今日は新学期の初日だった。B組になって、優里とまた同じクラスになれたことが本当に嬉しい。」


 陽斗はそう書き始めた。


 彼と優里は幼なじみで、いつも支え合ってきた。


 同じクラスになれたのは、彼にとって大きな安心材料だ。


「新しいクラスメートにも会えた。特に宮本さやかとは、放課後にちゃんと話せて良かった。彼女は文学が好きで、僕たちにいくつかの本をおすすめしてくれた。今度、一緒に図書館に行く約束をした。」


 陽斗はペンを止め、少し考え込む。


 そして、もう一つ大切なことを思い出した。


「あと、星野美咲にも会った。まだ直接話す機会はなかったけど、彼女はすでに学校中の注目の的になっている。彼女についてもっと知りたいな。」


 ノートにそう書き加えた後、陽斗はペンを置いた。


 彼は自分の心の中で、新しいクラスメートたちとの関係をこれからどう築いていくか、そして美咲とどのように友達になれるかを考えた。


 今日一日の出来事が、これからの高校生活にどのような影響を与えるのか、陽斗にはまだ分からない。


 しかし、彼はその全てに対して前向きな気持ちだった。


 ノートを閉じると、陽斗は深く息を吸い込み、そしてゆっくり息を吐き出した。


 今日の疲れが少し和らいだように感じる。


 彼は窓の外を見た。夜空には星がきらきらと輝いている。


 それを見ながら、陽斗は新しい友達、新しい経験、そして未知の可能性に満ちたこの新しい学期に思いを馳せた。


「明日もまた、新しい一日が始まる。頑張ろう。」


 心の中でそうつぶやきながら、陽斗はベッドに横たわり、ゆっくりと目を閉じた。

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心の距離 すぱとーどすぱどぅ @spato-dospado

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