第11話 あの世とこの世ではないどこかでまた会おう

 僕が思うに、あの世というものはこんな綺麗なものではないと断言できる。


 辺り一面塩湖のような空を綺麗に映す鏡のようなものではないと思うし、僕以外居るのが以外目の前にいる1桁ぐらいの女の子だけなはずではないだろう。


「ねぇ、ボクの事覚えてる?」


 そんなことを聞いてくる、黒髪ボブの女の子。

 どこかで既視感があった気がする―――――が。

 記憶お思い返してみようにも心当たりがなさすぎる。

 もちろん僕にはそんな趣味はないし、何より人一倍顔を忘れやすい性格だ。

 よって導き出される答えはノーだ。


「そう……」


 えっ、なんかすんごい悲しい目で見てくるんけどー。


「い、いやすまない」


「いいよ、……別に…悲しくなんかないし」


 いやいやいや、すんごい顔に出てるんですけど。

 目がなんか赤くなってるし、鼻声だし!


「ほんとうに、すまない何も思い出せないこんな大人で」


 即座にでてくるのは膝を地面をつき、頭を地面にこすりつける最大限の謝罪、『土下座』だ。

 傍から見たらアラフォーに近い男が10も行ってないような女の子に土下座しているという傍から見なくてもわかるという地獄なのだが。


「い、いいよ!本当に!」

「ボクは久しぶりに会えてうれしいし」


 どうやら機嫌事態は特に問題なかったらしい。(僕の土下座が…)


「とりあえず久しぶり カイト」


「ひ、久しぶり」


 僕は相手の機嫌を損ねないことを第一として接する。


「どう?キミのP.S.N.Rパーソナルは」


「パーソナル?」


 早速予想外の質問が飛んできた、P.S.N.Rパーソナルがいったいどうしたというのだ。

 そしてこの子は僕のP.S.N.Rに何の関係があるというのか。


「ま、まぁいい感じに使いこなせてるよ」


「……そこまで覚えてないとはね」


「?」


「はぁ、無理もないか、僕のこと覚えてないし」


「まぁいいよ、実践を繰り返して思い出していきなよ」


「キミが一度手放した力だ、そのうちにその鈍っている脳の錆は自分で落とすことはできるだろうし」


 知らないことが次から次に流れてくる。

 頭の中で宇宙が思い浮かびながらも彼女の言葉を聞き続けていたら。


「さぁ、お迎えが来たようだ」


「お迎え? どうやって?」


 確か今の僕は心臓を抉られて瀕死か死んでいるはずだ。


「そ・れ・は、カノジョに感謝することだ」

「カノジョはキミのためなら僅かな生命力を分けると言ってきたんだ、本来ならじっくり自然治癒のところをすぐにその魂をサルベージってワケ」

「まったく、キミはいったいどれ程の人が君を求めてるんだ」


 少女はそう頭を抱えながら愚痴をこぼしてくる。

 周りの空間に穴が空き始める


「! ま、待ってくれ、君はどうなるんだ」

「君は大丈夫なのか? ここはもう危ないぞ」


そう言うと少女は驚いたような顔をしてこちらを見る。

あったときみたいに目が赤くなる。


「フフッ、そういう変に優しい所……好きだったよ…カイト」


周囲に足の踏み場がなくなる。

それなのに周りはまるで宙のように幻想的な光景が広がっていた

あと残るのはもう僕と少女の立っている場所とその間にある人一人分の空間だけ。


「ヘレンによろしく言っといてね」


「へれん?―――――」


少女がそう言った瞬間


「ッ‼」


僕の足は地面を踏んでいなかった。


「き、君のこと! 思い出すから! 絶対に!」


そんなことの聞いた少女の目には僕を包んでくれるような温かさがあった。


「―――――」


そして口からのメッセージは僕の耳に入ることはなかった。



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PERSONAL ー戦いから一度身を引きましたが可愛い女の子が遭難してきて戦友の遺言にも答えたいのでもう一度頑張ろうと思います シャボン @syaboon

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