ついにこの時が来たのですね…1作目、2作目のきっかけとなる、竹史さんの祐介さんへの告白。
でも時代的に同性愛に対する偏見が今以上に強く、まだ高校生という年齢を考えると、祐介さんが告白に対して肯定的に捉えないことは竹史さんもある程度想定していたのかなと思います。
しかし、その上で妥協案として出した「(付き合ったり結婚したりはできないけど)ただ一度抱きしめてほしい」という提案をも断られてしまい、竹史さんの中では大きなショックになってしまった…そんなふうに感じました😭
祐介さんの言った「裏切り」という言葉も竹史さんに響いてそうです…そんなつもりは全くなかったと思うので…😓
作者からの返信
ジロギンさま
こんにちは。こちらへもお越しくださり、ありがとうございます。
とうとう、です、はい。祐介にしてみれば、青天の霹靂、というわけでもなかったのでしょう。なにか感じ取ってはいたはずです。言ってくれるな、という気持ちが常にどこかにあったので、竹史のこの告白に、より拒絶感や怒りが増したのかもしれません。
竹史は「裏切り」の言葉にとどめを刺された気持ちだったでしょう。
このあと、祐介と竹史の世界は完全に分断され、竹史の人生のみを追いかけていきます。今回ほどの暗い話はもうありませんので、お付き合いいただければ幸いです。
コメントをありがとうございました。
編集済
二人のその後を知っているのに、とても辛かった。
彼らの思いが次の世代に繋がることを知っている読者という立場なのに、
切り刻まれるような痛みを感じる。
読んだ後、放心してしまった。
実をいうと、いろいろな合間にちょこちょこと読ませて頂いているのですが、
本当に、今回は手が止まってしまいました。
息が詰まりそうでした。
すんごいもの読ませてもらっているなぁと、あらためて思いました。
前作同様に、忘れられない物語になりそうです。
追記:
すいません、決して「なんてことしてくれるんや! わいのハートがずたぼろやないか!」という意味ではないです!
苦しみや悲しみの物語に出会うと一種の美しさがあると思うのですが、それを言いたかったのです!
すごく俗な言い方になってしまうのですが、「良い意味で辛い」という感じです。
料理で言うとプリンのあとにワサビ一本舌にのせる、って感じです。
このシーンの後、二人が再会して写真を撮るところまでが一気に蘇りました。
そういう意味なんです! よかったんです!
作者からの返信
井戸端じぇったさま
こんにちは。
申し訳ない、と先に謝っておきます。ほんと、すみません。
いやね、いろんな人に言い訳しているのですが、私も読んでいて辛くなる話、苦手なんです。じゃあどうしてこんな話を書いたんだ、と言われるのはわかっているのですが、何でですかね? 作者の性格には難があると言われても、ぐうの音も出ません。
『イソヒヨドリ』を書いている時点で『ハシボソガラス』まで話は決まってしまったので、残り二部、突っ走ってしまいました。
あのですね、言い訳がましいですけど、8月過ぎから始める次の長編は、似た路線ですけど、もう少し暗い気分にならないものにしようと調整しています。もし辟易されてしまわなければ、またそちらにお越しいただけると嬉しいです。
コメントをありがとうございました。嬉しかったです!
こんにちは。ことん、カツカツカツ……
ハシボソガラスだけが……。
分かってはいましたが、やっぱり……だったのですね。
作者からの返信
豆ははこさま
こんにちは! 拙作へお越しいただき、誠にありがとうございます。しかも、たくさんお読みくださったのですね。とても嬉しいです。
はい、ついに、こうなってしまいました。
上手に自分の感情を制御できる人ならばこうはならず、もっとスマートに、将来のふたりの関係も見据えながら、気持ちを押さえられたのかもしれません。でも、この当時の竹史には無理でした。
大好きなハシボソガラスだけが、呆然とする竹史のそばで、ここにいるよと言わんばかりに、木の実を落としては拾っていました。
コメントをありがとうございました。
また、近況ノートのほうにもお越しいただいたのですね。ありがとうございます! 大変失礼ではありますが、近況ノートのほうに、お返事したためさせていただきます。
ありがとうございました。大変励みになります。
佐藤宇佳子さん、こんにちは。
竹史さんは、勇気を出して伝えたんだなって思いました。
なかなか出来ないですよね、その気持ちを正面から相手に伝えるってのは。
弓道を介した関係と、そうでない関係と。
あぁ……交差してしまう……。
でもですね、未来では繋がっている。
個人的にはそう考えているので、良かったって思いますかね~。
だって、一緒に弓を引こうって、言いだしたのは祐介さんだし!
作者からの返信
もっこすさま
こんにちは。いつも拙作をお読みくださり、ありがとうございます。
時代は平成初期、しかも九州の田舎、同性愛への理解は望むべくもなかったです。しかも相手は裕介です。すでに高原を伴侶と定め、思い描いた自分の人生設計を実現させるべく邁進している今、竹史の横槍は腹立たしいものだったかもしれません。
そう、弓道を介した関係と、そうでない関係とでは、祐介の竹史に対する思いはまったく違うんですね。
竹史の発言に衝撃を受けている今、冷静になれない祐介は竹史を徹底的に遠ざけようとしていますが、結局は裕介だって弓道を忘れきることはできません。それはつまり、竹史を忘れきれないということでもあります。それを意識できるようになるまで、長い長い時間を要しますが、その結末が準備されていること自体、もう救いであると思いたいです。
コメントをありがとうございました。
編集済
おはようございます。
「俺はおまえの射が、なにより好きじゃ」
祐介さんのトドメを刺すかのような、残酷な言葉……。
そうか……。弓道場で告白、撃沈、その後、もう二度と竹史さんは学校に来なかったのですね……。
ただ、抱きしめて欲しかっただけ。
女なら、
───キスして。
───ねぇ、ホテル行こうよ。彼女がいるのは知ってるけどぉ、三年間ずっと好きだったの。あたしと一回だけ……。ねっ?
とか、言える。(いや、架空のキャラを今、造形。女が誰でもそう言えるわけではない。)
女は「あたしをあげる♡」作戦が使える。でも、竹史さんは、使えない。
男だから、ただそれだけで。
抱きしめて欲しかった、それ以上は望んでいなかったのに。
作者からの返信
加須 千花さま
こんにちは。いつも拙作をお読みくださり、ありがとうございます。
祐介の「俺はお前の射が、なにより好きじゃ」も、今の竹史にはむしろ苦しさが増す言葉でしかありませんでした。
竹史には、自分の祐介への恋は叶うはずがないとわかっていました。結末がわかっていながら自分の気持ちを伝えずにはいられなかったのは、恋なんて理屈じゃないとも取れますし、いつまでも駄々っ子っぽさが抜けきれない竹史の性格ゆえとも考えられます。さらには、祐介に依存しきっている竹史の甘えとも取れます。
進路のこと、家のこと、それに高原のことでも神経質になっていた祐介には、竹史の言葉が、すべてを台無しにしかねない爆弾のようなものに思えたかもしれません。タイミングも、とても悪かったです。
架空のキャラ子さん……実際、いそうです (^^;) そして、祐介も竹史もキャラ子さんを冷ややかににらみつけそうですが、彼女を優しく受け入れ望みを叶えてくれそうな人が「おまけ」に登場します。
コメントをありがとうございました。
竹史には残酷ですが、当然の帰結でしたよね(-_-;)
祐介の性的嗜好やマッチョイズムな性質、時代や年齢からしても、受け止める度量があるとは思えませんし…。
そもそも、好きではない人に、その意味で抱きしめてほしい、というのは、どんな状況であっても難しいかもしれませんね。
と思うと、竹史は祐介に何を期待して言ったのか、彼自身の苦悩に比して、相手や周囲への認識の掘り下げ、というか、解像度のようなものが低い所が、物語全体を通してあるような気がします。
そのアンバランスさが、純粋さにも似たようにも見えて、それが、竹史の射の魅力にもつながっているのかな、という気もしました。
作者からの返信
カワセミさま
こんにちは。拙作にお越しいただき、ありがとうございます。
自分の思いを受け入れてもらえないことは、当然、竹史にもわかっていました。ただ、受け入れも理解もできずとも、受け止めてもらいたい、と願っていたのでしょう。抱きしめることはその象徴であり、それであきらめをつけよう、と竹史は考えていました。ゲイであることを竹史自身素直に受け止めることができておらず、自己肯定をいつも頼り切っていた祐介という外部に委ねた感があります。
相手の都合を考えずに感情で突っ走るのは、竹史のごく感覚的な射とも相通ずるところがあります。全てがそこに集約され、他に一切頓着しないような。純粋さといえば聞こえは良いですが、傑出したひとつを除いた残り全てにおいて、軋轢を生み、生きづらさに繋がるような気がします。とてつもない魅力があるにもかかわらず、親しく付き合うには多くの人が二の足を踏みそうなタイプですね。
コメントをありがとうございました。
こんにちは
まぁそうなるよなと思いました。今だと社会的云々で拒絶する言い方も変わるんでしょうけども、時代的にはそんな感じでしたよね。
ただ男女の別なく好きな人が受験を控えた大事な時期に、その動揺を誘うような事を自分の欲求のままに平気でしてしまうのは、人としてどうなんだろうとは思います。せめて受験が終わるまで待っとけよって感じですね^^;。
作者からの返信
十三岡繁さま
こんにちは。拙作にお越しくださり、ありがとうございます。
はい、ここは『イソヒヨドリ』ですでににおわせていた顛末ですから、最初からお読みの方々には、そうだろうな……となると思います。
祐介に伝えるタイミングは、おっしゃるとおり非常に悪いですね。いまだ、子供じみており、祐介には依存しきってしまう竹史らしい行動といえるかもしれません。
コメントをありがとうございました。
つきに「その時」が来たのですね!
久し振りに拝読させていただきましたが、一気に記憶が蘇り、切ない気持ちにもなりました。
「抱きしめさせてくれ」・・・。
うう~ん、男女間でないと更に難しいですね。この辺りの感情、なかなか自分に落とし込めないのがもどかしいです。
作者からの返信
北川聖夜さま
こんにちは! 拙作へお越しくださり、どうもありがとうございます。
> この辺りの感情、なかなか自分に落とし込めないのがもどかしいです
いえどうぞお気に病まず。大多数の方はそうなのではないでしょうか? むしろ、わからずにもどかしいとまで思っていただけるのは、それだけ真剣に向き合ってくださっている証拠、ありがたいことです。
おそらく祐介も似たような気持ちだったのではないでしょうか。同級生として、また弓道の仲間として深く交わり、なにより自分にはない能力の芽を共に育ててきた竹史に、まさかそんなふうに思われていたとは。その驚愕から「裏切り」の言葉まで飛び出てしまいました。
ここは一番苦しいところなので、どうぞこの気持ちを引きずることのありませんよう……。
コメントをありがとうございました!