最終章
道州制時代の名古屋。強盗犯の佐藤は、警察をあざ笑うかのような大胆な手口、弱者からは奪わないという姿勢で、犯罪者でありながら大スターのようにもてはやされていた。
司法省捜査局の桐谷長官は越境犯罪を繰り返す佐藤を「公共の敵筆頭」として指名手配し、更に名古屋支局へ鈴木捜査官を赴任させる。
ある日、佐藤は西野菜々子という神秘的な魅力をもつ女性と出会う。菜々子も、彼の強引で一途な愛に次第に惹かれていく。捜査の目をかいくぐり、密会する2人。
例え逮捕されてもすぐさま脱獄し、再び強盗に手を染める佐藤一味。しかし、それまで後ろ盾となっていた者達は佐藤を「お前のやり方はもはや時代遅れ」だと切り捨てる。一方、彼らを追う鈴木達捜査局は地方支局から古参の武闘派捜査官を呼び寄せ、少しずつ綻びを見せ始めた佐藤一味へと捜査の手を届かせようとしていた。
佐藤を追っている男がいた。蛇骨を殺した宇喜多だった。
宇喜多は背後から坂東にライフルで射殺された。
そう、坂東こそが名もなき探偵だったのだ。
蛇骨電工殺人事件 鷹山トシキ @1982
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