学生の特権
小学校。中学生を見て大人だと思った。高校生はもっと大人。大学生はもうほとんど社会人と変わらない。
中学校。高校生を見て羨ましいと思った。輝いて見えた。青春という言葉は高校生にこそ相応しい言葉だと思った。大学生は相変わらず大人に見えた。
高校。大学生になりたいと思った。小学校の頃、あんなに大人に見えていた高校生はあっけなく、こんなものかと思った。中身が変わる訳ではなく、年齢に中身が取り残されていくように感じた。
学生の頃はいつだって上ばかりを見ていた。
大学生になって初めて今までを振り返った。
10代と別れを告げる時、やっと大人になれる、と思いそうなものなのにそれよりもどこか寂しさの方が私の胸に漂った。
20歳になってやっと、10代の、学生の瑞々しさ、若々しさ、無謀さ、初々しさを知った。
学生の皆さん、上ばかり見て、今の時間を疎かにしないでください。
いつだって今この瞬間が一番若く、一番愛しい時間です。
若いからこそ、学生だからこそしか使えない特権は溢れています。それは過ぎてから気づくのです。
ここに、私の思い当たる学生の特権を書き記しておきます。
・勉強を口実に会う約束をすること
・暑い夏の日、部活の帰り道にコンビニでアイスを買うこと
・何かに一生懸命取り組んで汗と涙を流すこと
・放課後、教室に残ること
・誰もいなくなった教室で待ち合わせること
・帰りの約束を取り付けること
・偶然と見せかけて一緒に帰ること
・行事ではっちゃけること
・スカートを短くすること
・バレない程度にメイクをすること
・友人の恋のキューピットになること
・友人とライバルになること
・バレンタインを渡せること
・男子はそわそわすること
・制服を着れること
・制服デートができること
・先生に叱られること
・授業中、寝てしまうこと
・寝たのを口実にノートを見せてもらうこと
・席替えでドキドキすること
・自販機で奢ること、奢られること
・くだらない事で勝負をして賭けにハーゲンダッツを賭けること
・友人とバカ騒ぎすること
・先生を好きになること
・教育実習生に胸を高鳴らせること
・容易にグループから好きな子の連絡先をゲットできること
・なんでもない帰り道がとてつもなく愛しい時間だということ
・なんでもないことがデートになること
・友人と喧嘩をすること
・好きな人を毎日見ることができるということ
・見たくないところも見てしまうところ
・テストで赤点をとること
・徹夜をすること
・一夜漬けをすること
・徹夜を口実に電話をかけること
・頑張る理由が好きな子だということ
・校庭でボールを蹴れること
・鬼ごっこができること
・誰かを本気で応援するということ
・暑い夏があるということ
・制服が眩しいということ
・ポニーテールが眩しいということ
・坊主も可愛げがあるということ
・校則の中で最大限にお洒落をしているということ
・告白が初々しいということ
・手を繋ぐのが緊張するということ
・誰かに見られたくないと思うこと
・触れたいのに触れられないこと
・どうしようもなく愛しい時間を過ごしているのだということ
さぁ。学生の皆さん。
最大限に今のあなた達にしかない特権を活用しまくってください。
いつだって今が最高の時間です。
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