第5話 雨上がりに

雨上がりの泥濘ぬかるみから

両手でそっとすくい上げた

思いひとつ

両手でそっと掲げた

思いひとつ


泥にまみれたけれど

かけがえのない思い


そらからの光が

思いをひとつ

そっと

抱きしめた


ぱらぱらと

乾いた泥がはがれていく


そして、

光りに染まった

かけがえのない思いがひとつ

天高く溶けた


地上を、

悲しいほどに清々しい風が

吹き抜けていった



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気の向くまま(詩) 真堂 美木 (しんどう みき) @mamiobba7

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