第7話 タタヌレから七年

こんにちは、真野てんです。

自分が同性愛者を主人公とした日常系ラブコメ「勃たない男と濡れない女」をカクヨムに掲載したのが2017年10月のこと。あれから7年が経ちましたが世の中はどう変わったのでしょうか。


当時は性的マイノリティを扱う場合にLGBTという名称がちらほらと使われ始めた頃で、彼らを取り巻く環境がにわかに変化していった時代。法整備に関する議論もまだまだこれからといった感じだったかと記憶しております。


連載している最中でさえ当事者でもない自分がこんなテーマを軽々しく扱っていいものだろうかと思いながら執筆していましたが、その考えは今でもあまり変わっていません。

結局は同性カップルの法的保護を国家としてどうするかという政治的な話になってしまうので、同性愛者でもなければ法律家でもない私が何を言えるんだってことです。


多様性という言葉がこんなにも窮屈に感じられる時代もありません。

もちろん各コミュニティが権利を主張することで、かつてないがしろにされてきた人たちが救われたことも事実でしょう。

しかしコミュニティが権利を得る一方で、個人のプライバシーが台無しにされてしまう危険があるのもまた忘れてはならないことです。

ヴィーガンや環境保護の過激な活動家たちがいい例ですね。


アニメやアイドルなんかはある時期から有名タレントたちが趣味と公言することで一気に市民権を得て、かつて根暗の代名詞、犯罪予備軍などと煙たがられていたオタクたちは陽の下へと引きずり出されました。

結果として18禁のネタやBLなどは一見するとポップになったように感じますが、法的な規制の対象になることもしばしば。

オタクは日陰者で良かったのにな、なんて思ってしまったり。

職場であれ趣味のコミュニティであれ、十分に幸せだった場所をあとからやって来たものたちが荒らしてしまうというのは割とどこでも起こり得ることだと思います。


自分はタタヌレを書きながら「LGBT」という箱を使って、これから当事者を置いてけぼりにした詐欺まがいのビジネスやサービスが横行するのだろうなと感じていました。作中やコメントへの返信にも似たようなことを書いてます。


ポリコレによる印象操作で人種差別をなくそうキャンペーンは失敗しそうですが、性別的価値観の破壊はこれからも進んでいくことでしょう。

それが人類になにをもたらすのかはまだ分かりません。そのうち人間じゃなくってAIとも恋愛や結婚が出来るようになるのでしょうから。


試験管から愛を込めて。



>『勃たない男と濡れない女』

https://kakuyomu.jp/works/1177354054884319934/episodes/1177354054884319941

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