地雷系女子が往く！ ～異世界征服物語～

エピローグ＆出演者の補足

【地雷（じらい） 玉（たま） 視点】

　夢から醒めるような感覚。ボンヤリとした意識から目覚めると、玉は推しているグループの看板前に立っていた。記憶違いでなければトラックに轢かれかけた先で転移したのだが。もしかしたら魔王が気を使って安全な場所で目覚めるよう細工してくれたのかもしれない。

　リュックの中からスマホを取り出す。そういえば異世界で携帯を使おうとする気にさえならなかったのは何故だろうか。自分の先入観によるものか、あるいは世界の効力として気づかせないものがあったのか。今となっては分からないことだ。

　ひとまず日付と時刻を確認する。最後に確認した時から６時間程度が経過していた。こういうのは世界ごとに時間の流れが違うことがあるが、今回はそれに該当しなかったらしい。浦島太郎現象が起こらなかったことにまずは安堵する。

「･･････いや違うヤバい学校、遅刻するガチ遅刻する！！！」

　安堵している場合じゃない。２１時にライブハウスを出てからトラブル沙汰に巻き込まれて２２時。そこから６時間。現在、午前４時。日曜日だからと油断していた。ガッツリ月曜日になっている。

　自宅も学校も新宿区にはない。そもそも服が地雷系という校則違反も甚だしい状態で登校なんてできるはずもない。あとお腹空いた。ついでにちょっと眠い。そこは電車で寝れば補えるだろうが。いや、この時間帯の電車なんて知らない。いっそ走るか。あとよくよく見たら着信履歴がヤバい。親の阿修羅モードが目に浮かぶ。

　とにかく、ヤバい。

　地雷玉は猛ダッシュで走りながら１番信頼のおける人間に電話をかけ始めた。

『ふぁぅ･･････もしも』

「あっ、もしもし先生！？ 　私私！！　 今日ちょっと遅刻しそう！！」

『オレオレ詐欺？ 　ったく･･････そのノリは地雷だな？　 理由を１行で説明できるか？』

「推しの男装女子アイドルのライブの帰りに異世界征服してきたから！！」

『いっぱい説明できるか？』

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☆出演者☆

地雷 玉

地雷系女子。色々な方面に説明するので忙しくなった。

ホーリィ・ノーマンランド

王太子兼騎士団団長。ブレインが忙しくなったので試験で赤点を取った。

ブレイン・ジェネラル

魔術師団団長。父親の謝罪会見の手伝いで忙しくなった。

魔王

全魔物を統べる者。和平交渉の準備で忙しくなった。

国王

ノーマンランド王国の王。和平交渉の準備で忙しくなった。

宰相

国王の側近。アルコール語録の謝罪会見で忙しくなった。

騎士団＆魔術師団＆四天王

「わぁーん」

コウモリ

本編では語られなかったが魔王軍側の戦犯。玉に見つかったのはコイツ。