ラブコメで「ざまぁ」をやりたきゃ、はっちゃけろ!
- ★★★ Excellent!!!
まず、本作のレビューをする前に正直なことを話そう。筆者は「ざまぁ」をラブコメにやたらにぶち込むことが大嫌いだ。
適度に入れるのは良いにしても、明らかにやりすぎだと思われる制裁を加える作品のなんと多いことか。そのような小説を見たら、筆者は「この小説を書いたのは誰だぁっ!!」と美〇しんぼの海〇雄山の如き怒りを見せる。というか、確実にそうなる。
そういったのばかり受けて……(以下略)。
今作は主人公・九重雅が怒首領〇大往生の緋〇のごとき容赦なき弾幕を喰らってゲームオーバーになったところから始まる。相手は権力者で太刀打ち不可能、となると雅に残された道はただ一つ。日陰者として学園生活を地道に過ごすしかない。
間男は笑い、雅は罰を受け、戻ってきたとしても陰口をたたかれる。最悪の場合はいじめに遭うことも辞さない、バッドエンド一直線。もういいんだよ雅、一人さみしく生きるが良いさ――と思ったら、転校してきた美少女・明日実明日香が間男と幼馴染に対してきっちりと制裁を加える。
ここで「ハイハイ、ざまぁものね。この小説を書いた奴、出てこい!」と美〇しんぼの海〇雄山の如き怒りを見せる人、手を挙げて。……ハイ、自分です。
そう、この作品が変わっているのはここから。
明日香は何と雅の性奴隷になりたいと言い出して、旧校舎に何やらへんちくりんなものを用意して――? まぁ、その辺は本編を読んでいただけたらと。
ド変態ヒロインのせいで間男への制裁が一瞬にして吹っ飛び、後は野となれ山となれ。雅は冤罪を被せられたまま、静かに陰キャとして学園生活を過ごしたほうが良かったんじゃないのか? と思いました。例えいじめられたとしても、最悪転校すればいいわけだし。
ラブコメで「ざまぁ」を入れるなら、主人公も「ざまぁ」される間男の痛みを少しだけでも知ってもらわないと困る。今作は主人公も性奴隷志願の女の子に付きまとわれるため、痛み分けといったところかな。
人を呪わば穴二つ、果たして雅の未来はどうなることやら。……どう転んでもバッドエンドだけど、最後まで楽しみにしています。