番外編・津島修は見た②

翌日


早朝からスマホを取りに

母屋に戻った修は、


奥の客間を気にしながら

挙動不審でうろついている。

そこへ、さちがやって来る。


「おめ、何しでんだ?」


「お、おはよごす〜」


「なんだ、ずいぶん早えな」


「えっど…目が覚めちまっで〜」


「んだが(そうか)」


「とごろで婆っちゃ。昨夜ゆんべは何か…妙な物音どが、妙な声どが、しねがっだ?」


「しねがっだ」


「へぇ〜…」


「なに言いでんだ?」


「いや、あの…わー(俺)昨夜ゆんべ、すんげぇもん見でまっで!」


「わー(私)も見だ」


「え?え?婆っちゃも!?なに見だんだ?」


「夜中に目が覚めで、御不浄ごふじょうさ行っだ時、あの2人が仲良ぐ部屋さ入っでっだ」

※御不浄=手洗い


「え?え?…そんで?」


「そんだけ」


「え?え?そんだけっで…そっだわげねーべ!!」


さちはそれ以上何も言わず、

高笑いしながら畑に出て行った。


だが修は消化不良だ。


何も情報がないならまだ良かったのだが、

さちから聞いた僅かな

あらぬ妄想を膨らませながら、

自分の鼻も膨らませて悶えた。


「続ぎ知りで〜!!」







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