俺の矛盾
桐谷
俺、田中。
世界にはたくさんの種類の人間がいる。俺はその“たくさんの種類の人間”に問いたい。
あなたが生きてきた人生は悔いの残らないような人生でしたか?と。
きっと誰もが首を横に振るだろう。俺もそのひとりだ。
でも、もしその中で首を縦に振る人がいるのだとしたら、俺は_
人の不幸は蜜の味だと言う人間A。そんなのあんまりだと言う人間B。そうだそうだと陰から人間Bに賛同する人間C。それを眺める俺、田中。
面倒事は避けたくなるのも、意見が割れるのも、傷つくのも、傷つけるのも、“人間だから仕方ない“で終わる話なのに。自分と違う奴は”おかしい“だの”躾がなってない“だの。
どうしてそんな世界に、そんな世界で自身を認めてもらおうと必死になれるのだろう。
どうせみんな死ぬのに。死んだら何も残らないのに。
死んだあと絵画が売れたとて、生きているうちに自分に利益がなければ意味がない。
生きているうちに認めてもらえなきゃ意味なんてない。
そうだろう?
誰かそうだと言ってくれよ。
人間という生命がなくなるのは美しいことなのか?
意味がわからない。
命を大事になんていうくせに結局は蹴落としあい、傷つけあい、殺しあう。
こんな世界狂ってる。
そんな世界から逃げ出したいと思う俺は弱いのですか。
狂っているのは世界じゃなく、俺のほうですか。
誰か俺を認めてください。欲してください。許してください。
あぁ、結局俺もおまえら人間と同じなんだな。
生きているのに死んでいるみたいだ。
俺の矛盾 桐谷 @Qa_Rgrey
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