認めたくないよ
春樹からのLINEでまさかの指摘を受け感謝しているが少し傷つく気持ちがある。
ただの葛藤であろうか。自分の話がみんな興味がなく将又不愉快な思いをしていた
事実を聞いてしまった悲しさ。認めたくない怒り。そんな思いで春樹を待つしかなかった。
QFRONTのビジョンに映し出せれている広告の光が目に入る。昼間なのに暗く自分の葛藤を物語るようだ。
『よー。冴えない人』
春樹の声がした。僕に忠告しにきたのか、または馬鹿にしにきただけなのか。
謎な部分がある。そもそも僕はなぜ春樹を渋谷に誘ったのか?春樹からの忠告を聞きたかったのか?アドバイスか?それとも単に家から離れたくて春樹に会いにきたのか?
進路も決まらない落ちこぼれた僕にとって春樹は唯一そんな僕を受け止めてくれる大切な存在だった。そんな春樹を僕はなぜこんな目で見てしまうのか。恥ずかしくてたまらない。
声をかけられ、2秒ほど間があったが直ぐに反応した。
『久しぶりだね。LINEではよく話すけど』
『そうだな。それよりどこで飯食う?サイゼ?ガスト?カラオケでピザでも頼むか?』
『そうだね。東急ハンズの中にサイゼはあるし、安いからサイゼにしようぜ』
『金ケチるね』
『これじゃ恋人ができても、金ケチって直ぐ別れることになるだろうね。
破滅〜破滅〜』
『お互い金をあんま出費しない方がいいだろ?バイトだってしてないし。
小遣い少ないし』
『モテるぞ〜金あると。ちゃんとした店に行くことで好感度上がるし』
『誰がその金払うんだよ』
『割り勘すりゃいいだろ』
『一ついうけどさ、全部払えなんて言ってないぜ。金で買う愛なんてないからな』
『なるほどね〜考えておく』
実際に会ってからも色々言われるのは腹立たしい。
そうこう考えているとスマホの通知をずっと無視していたことに気がつく。
1人あなたを検討中の女性がいます。
そんな通知が目に入った。咄嗟にスマホを直ぐにその通知をタップし、
DMを開く。
龍之介『僕をお考えなのですか?』
その瞬間の衝動で僕はこんなDMを送った。
だが相手もこれに直ぐ反応してくれた。
相手『はい!プロフィール面白い人だなって』
相手『港夏海っていいます!』
龍之介『夏海さんですか!僕は宮澤龍之介っていいます!』
夏海『龍之介さんですか。なんか作家の芥川さんみたいですね!』
龍之介『そんなイケメンではないですけど笑』
やりとりを少しするにつれ、ついに僕にも春が来た!そう思い、渋谷のど真ん中で
踊り出しそうな気分。春樹がなんか言ってるけどお構いなしにDMを続ける。
夏海『龍之介君は今どこにいるの?』
龍之介『友達と食事をしようと思って、渋谷に来ています』
妙に敬語になりその上に食事とかしっかり綺麗な言葉を使っている。
夏海『渋谷にいるんだ!私家近いよ!』
夏海『代官山ってところなんだ!』
龍之介『代官山ですか。結構洒落たところに住んでますね』
龍之介『僕は今渋谷にいますけど、住んでるところは浜松町です』
ここまでDMをしていたところで春樹が僕の頭を殴った。
『さっきからスマホばっかり見て5分以上お前のこと待ってるぞ』
『仕方ないんだよ。今恋人ができるかできないかの瀬戸際なんだから』
『お前またマッチングアプリかよ。ふざけんなよな。俺がアドバイス
してやってんのに』
『そういやさ、お前が知りたそうないい魔法持ってるぜ
お前がその魔法を唱えれば女子に囲まれてハーレムになって
最後はたくさんのラブレターが来るぞ』
『お前何言って』
『どうせなんかのマルチ商法だろ騙されないぜ』
『いやいや、一回唱えてみるだけでもいいからさ』
春樹の言っていることは正直意味が分からない。
聞くべきなのか。また僕の中での葛藤が始まった。
マッチングアプリに依存したので誰かリハビリしてください! 市ヶ谷龍太郎 @f21gmail
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