失われた黒毛和牛を探し求めて

@2321umoyukaku_2319

第1話

 霜降り肉より赤身の肉が好きだ。だから、どうして皆が霜降り肉をありがたがるのか分からない。

 そんな話をしていたら、鼻で笑われた。そして、こんなことを言われたのだった。

「黒毛和牛の高くて美味しいやつの霜降り肉を一度でも食べたらね。そんなこと言っていられないよ」

 え、ちょ、ちょま、ねえ、ちょっと待ってよ。黒毛和牛の高くて美味しいやつの霜降り肉って、そんなの美味いのかよ! 俺も食べたいよ! 食べたいよお!

 そんな焦燥にも似た思いに身を焦がして幾星霜……そして黒毛和牛を食べるチャンスが、遂に来た! それが【豪華なごほうびがもらえるチャンス!】年末年始限定・カクヨムコン9執筆&読書限界チャレンジだった。

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③もっと!毎日更新チャレンジ賞

・参加方法:期間中、『第9回カクヨムWeb小説コンテスト』応募作品の新規エピソードを毎日2エピソード以上公開

※同一作品の更新でなくても構いません。『第9回カクヨムWeb小説コンテスト』応募作品であれば、2つの別の作品でそれぞれ1エピソードずつ公開した場合も2エピソードの公開とカウントします。

・賞品:抽選で3名に黒毛和牛のカタログギフト1万円分(牛兵衛 オリジナルロゴ カタログギフト美)をプレゼント

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 黒毛和牛のカタログギフト1万円分(牛兵衛 オリジナルロゴ カタログギフト美)が抽選で3名に当たると知ったときから、私の頭の中は黒毛和牛でいっぱいになった。人生の中で、ここまで黒毛和牛のことを考えたことはない。私が抱いた黒毛和牛への思いと質量ともに肩を並べるのは牡牛と交わってミノタウロスを生んだクレタ島の王ミノスの妃パシファエぐらいだと思う。それほどに私は黒毛和牛を求めた。そのために、この時間まで起きて第9回カクヨムWeb小説コンテストのための作品を書いた。

 だが、それは無駄なことだったと、今さっき気が付いた。

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結果発表

「黒毛和牛のカタログギフト1万円分(牛兵衛 オリジナルロゴ カタログギフト美」について

当選者には2024年1月中にカクヨム運営よりカクヨムに登録しているメールアドレス宛にご連絡します。メールアドレスへのご連絡をもって、発表とかえさせていただきます。

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 私は、これを見逃していた。当選していたら1月中にメールが来るはずだったのだ。今はもう、2月だ。2月1日(木)だ。この時点でメールが来ていないのならば、当選を逃したと考えていいだろう。

 私は何のために第9回カクヨムWeb小説コンテストに作品を出したのか。それはすべて、黒毛和牛のためだった。しかし黒毛和牛は、私の物にならなかった。本当につらく、悲しい。

 残念だが気持ちを切り替えよう。

 たしかトリグッズが貰えるはずだ。トリグッズの中には焼き鳥もあると思う。それを食べれば良いのだ。たとえ焼き鳥がなくとも構わない。そのときはトリのブックカバーを焼いて食う。

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