2限 力律学 毬を動かす

力律学とは何か.ずばり力と魔法の関係を突き詰める学問である.

ものを動かすための仕組みを数式で表せるようにし,魔法として発することができるようになることを目標とする.無詠唱による呪文の発動や魔道具開発は力律学の応用分野だ.


さて,問題を解いてみよう.

ここに毬がある.この毬は重さを無視できるとする.


え??


重さがない毬は毬ではなくないか?重さがないなら投げても地に落ちる事も跳ね返ることもない.とびだしたら戻ってこないし,投げられた毬を追いかけるペットも追いかけ続けて戻ってこないだろう.だがここを無視できねば問題は先に進めない.いったん疑問を無視して次に行く.


この毬に坂を上らせたい.


うん.そういうこともあるかもね?一応18年生きてきた中でそんなことはなかったけどもね?


この毬をに働く力律の式を求めよ.


また式である.式は数式であり数学である.数学め,ここにも顔を出すのか,いい加減にせよ!!


毬には直接触れて力をあたえる,もしくは魔法を発動しない限りは自力で動き出すことはない.つまり,毬を動かすためには何らかの動作で働きかけなくてはいけない.ここに数式が登場する.動作を文字で表現するのが呪文である.

したがって解答はE=Na-fsin30


と,なるらしい.

数学は嫌だ.

この問題を数学抜きになるよう書き換えてみようと思う.

ここに毬がある.この毬は重さを無視できるとする.

→ここに毬はない.何もない.




  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

機械戦線 月永 鉧 @tukinaga

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ