第一章 序章-2 物語の裏側
ここはフレイアさんの昔の故郷だった草原、そして私と一緒にいる黒い騎士はまさかの偉人ヒジカタトシゾウと名乗る男だった
そんなトシゾウさんと一緒に草原の真ん中に作られたお墓の前にいた
そのお墓にはフレイアの文字が刻まれていた
そしてソラはトシゾウから長い過去話を聞いた
転生者ヒジカタトシゾウとフレイアさんの過去の話を
「トシゾウさんとフレイアさんそんな過酷な事があったんですね」ソラは暗い顔をしながらトシゾウさんに語りかける
トシゾウも墓に手を合わせながら
「次に話すことはお前が強くする理由にも繋がる話だ、続けて暗い話が続くが聞いてくれるか」と申し訳なさそうに言うがトシゾウの目線はずっとフレイアさんのお墓に集中していた
私も黙って頷く
※
王国は聖騎士アザミとアイゼンの活躍により他国の反逆を阻止した
だがアザミ、アイゼン、フレイアを除いた数千名の騎士が重症、亡くなった者も多かった
フレイアは悔いていた、守れなかった、トシゾウから守る力を教わったのに
フレイアは森の中で座り込んでいた
すると誰かの叫び声が聞こえる、フレイアはその声のする方向を向くとホーリーウルフに追われる少女の姿があった
「なんでホーリーウルフがこんな城下の森に!それよりあの娘を助けなきゃ」迷いなく足が動くそして刀を抜く
力をお貸しください炎の女神!
刀は赤く光り、その光は足に移るそして人とは思えない速さでホーリーウルフを抜く
丁度ホーリーウルフも少女を追い抜き飛びかかろうとしていた
そこをフレイアは刀を一振りする
少女は固まっていた怯えているのだろうか、そんな少女を見過ごせずフレイアは手を伸ばしていた
柄にもない事をしている、私は今まで人との交流を避けていたでもこの少女には何か不思議な感覚を覚えた
そして炎の女神こと私の刀も少女に反応している用に見えた
※
時は進み、フレイアとソラが城下町を散策している間の事
王室では国王に怒られその場を立ち去ろうとするアザミとアイゼンの姿があった
アザミが扉に手をかけた所で立ち止まる
「すみません国王陛下、まだお話したいことが」と振り向き言うが、目に映るのは目をしかめ御立腹な国王の姿だった、だがそれに構わず話す
「先程から何故見張りがいないのでしょうか?」と言うと国王も驚いた顔に変わり「なんだと!」と扉に向かってくる
その時だった、鈍い音が国王の体からする
国王もゆっくりと自分のお腹を確認すると穴が空いている、気づいた時にはもう意識がほとんど持たなくその場で倒れ込む
そして、後ろから2人の男が現れる片方は貴族のような豪華な格好をしており、その横で魔導書を持っている者は白いスーツを着ている
「アザミ、アイゼンご苦労だった次の計画と行こうか」
アザミもアイゼンもその男に膝をつき敬礼をする
すべて仕組まれた計画だったようだ
※
同時刻、空中で全身黒い鎧を身に纏った男トシゾウがフレイアとソラを見守っていた
「珍しいなフレイアが友達連れて歩くとは、それにあの女……」とトシゾウは泉の邪神こと鞘に収まった刀に手を添え「反応している」と呟く
その直後トシゾウは後ろに気配を感じ振り向く
すると見覚えのあるピエロみたいな奴がいた、だが顔は見るも耐えない姿に顔だけじゃなく全身包帯が巻かれているようだ、でも正しくあの男はドウケだった
「これはお久しぶりですね〜クソ剣士さんよぉ〜」声には怒りがこもってるようにも聞こえる
どうやら昔あの村を去った後、自分で出した炎の魔獣達にでも襲われたのであろうと推測
「あんなのお前の自業自得だろ」と言うとドウケは「うるせぇ!」と怒鳴り散らし魔導書を開く
構えていたとはいえ、予測は外れた
てっきり炎の魔法が来ると思っていたら拘束されてしまった。
「他の魔法も使えるようになったのか?」と冷静にドウケに聞く
ドウケは笑いながら「そんなことも知らないのかよ」と挑発してくる
「教えてやろう、魔導書ってのはな、魔法使いとは違って縛りが無い、重要なのは強い魔法の発動の適性があるかどうかなんだよ、つまり基本魔法なら誰でも魔導書の使い方が分かれば使えるんだよ」と誇らしげに語る
逆に言えば自身は泉の邪神の恩恵で風魔法は使えるがそれ以外は使えないつまりこの拘束された状況では不利
「まぁ俺はただあんたを倒すってのもつまらないから舞台を用意したんだよ」と下を指差しながらの言う
思えばドウケも空中にいる時点で気づけばよかった
何故風魔法の空中浮遊が出来ていることに
そう悔しがりながらもトシゾウは下を見る「何が起きたこれは」目に映った光景は
フレイアと同期の騎士アザミが戦っており街の住人らしき数名とシラヌイソラが捕まっている状況だった
「早く加勢しないと」と拘束を解こうとするが解ける気配がない
「あのさぁ、中ンとこのアザミが負けそうだからフレイアちゃんには昔の続きって事で弱体化魔法かけておいたからね」と1つの魔導書を片手で左右に揺らし不敵な笑みで語りかけてくる
トシゾウも怒りが爆発しそうになる限界まで来ていた
そして下の方から人が倒れる鈍い音がした
ゆっくりの顔を下に向ける
そこには倒れたフレイアの姿、フレイアの周りは真っ赤な水たまりが出来ていた
その光景を見ている横で下品に笑うドウケの声が聞こえる「お前のその顔が見たかった」と
泉の邪神が紫色に光る、拘束魔法で作った拘束にヒビが入った
「ちょっ!」人の力では壊せないはずの拘束が目の前で砕け散った
その一瞬だった
抜刀
ドウケの体が真っ二つになる
そして、下では捕まったソラがアイゼンに切られそうになっていた
それを見て風魔法で瞬時にアイゼンの背後をとり斬った
これが泉の邪神の力、復讐心を力に変える捻くれた力だ
※
回想が終わる半分はトシゾウがフレイアを見守っていた中で憶測に過ぎない話もあるが
「泉の邪神はそんな能力が」最後の衝撃に全部持っていかれた
「それも、後々話すまずは俺達が戦う相手だ」戦う相手つまり国王暗殺を企てた反逆者集団の事であろう
「フレイアさんと国王陛下さんの仇」そう呟くとトシゾウは
「あまり時間もない奴らのやってることは国ごと巻き込んだ大事だ、それに俺達もその大事に巻き込まれたんだ近い内に追ってくるだろう」とフレイアにそっと肩に手を置き
「あまり仇とか考えるな、フレイアはそんなの望んじゃいねぇよ」と言って立ち上がり
「そろそろ日も暮れる、宿に行こうか、俺が亡くなった後の日本の話でも聞かせてくれよ」と笑って言った
私はトシゾウが喋ってる間、一言も喋らなかった
この時には既に復讐心という悪夢に取り憑かれていたのかも知れない
悲劇が起きるまで後………
第一章 続く
復讐の双剣ツインテール ショコラス @motiraru
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