第3話老人ホームで
今日は、お昼から老人ホームで腹話術会。
会場には、老人とスタッフがいた。
「はじめまして、稲本と人形のトンちゃんです。じゃ、トンちゃん、皆さんに大きな声で、ご挨拶を」
『やいっ、クソジジイ、クソババア、まだ生きていやがったのか!』
「トンちゃん、そんな事、毒蝮三太夫しか言わないよ!」
『だって、事実じゃん』
会場は笑いで一杯。
『オジサン、昨日はかっぱ寿司でコハダ食べたんだ』
「へぇ、渋いねトンちゃんは」
『オジサン、コハダ思いっきり食べたんだけど、理由分かる?』
「分かんないねぇ」
『兎に角、腹が減ってたんだ。あっ、そこのスタッフのお姉さん、お母さんはホルスタイン?』
「トンちゃん、それはセクハラだよ!」
オジサンとトンちゃんは舞台袖に呼ばれて帰るように言われた。
茶封筒には、5万円入っていた。
オジサンは帰りに、ブロンコビリーでステーキを食べた。
こんな、腹話術師がいたって良いじゃないか?
ゲッペタン 羽弦トリス @September-0919
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