【短編】足が遅いといじめっ子にバカにされたので、スタートダッシュ魔法を極めて白ギャル彼女をNTRしようと思います

ほづみエイサク

【短編】足が遅いといじめっ子にバカにされたので、スタートダッシュ魔法を極めて白ギャル彼女をNTRしようと思います

「お前はホントにどんくさいな!」



 小太りのクラスメイトに罵られて、ボクはキッと睨みつけた。

 だけど、相手はひるまない。

 それどころか、顔を真っ赤にして怒らせてしまう。



「チビの癖に生意気だぞ!!!」



 地面に倒れているボクの背中を、グリグリと踏みつけてくる。

 大きな図体に似合わない、陰湿な踏みつけ方だ。


 周囲にクラスメイト達が立っているけど、傍観しているだけだ。

 きっと、見せしめなんだろう。



(あぁ、なんでボクばっかりこんな目に……)



 ボクは誰に訊かれるわけでもなく、回想し始める。



 小学校5年生になって、ボクはイジメられるようになった。

 きっかけは、今ボクの背中を踏んでいるいじめっ子の一言だった。



【お前は『チビ』だな】



 不思議なのは『ボクが一番背が低いわけじゃない』ということだ。

 男子だけで比べても4番目だ。

 それなのに、いじめっ子は『チビ』というあだ名をボクにつけた。


 しかもクラスメイト全員の前で。


 その時の絶望感は、今でも鮮明に覚えている。

 周囲の笑い声がとても冷たくて、自分の存在の次元が一つ落ちたことを実感した。


 それからイジメが始まった。

 チビと身長をいじることに始まって、少しずつ過激になっていた。


 今では暴力が当たり前だ。



(でも、親には相談できない)



 ママはかなりの肝っ玉母ちゃんだ。

 どうせ「あんたが弱いからでしょ。空手でも習いなさい」と言うに決まっている。


 確かに強くなるのは効果的かもしれない。

 でも、ママの目的はそれだけ・・・・じゃない。


 空手道場のイケメン師範代とお近づきになりたいんだ。



布輪ふりん道場』


 

 それが道場が掲げる看板だ。


 っかでハチマキを表している。

 それが表向きでされている説明だ。


 だけど、読みに師範代の『不倫をしたい欲求』が滲んでしまっている。


 そんな道場に通うなんて、まっぴらごめんだ。


 あとは先生に相談することもできるけど、ある理由・・・・があって、二の足を踏んでしまう。


 結果、ボクはずっとイジメられている。



「おいおい、もうすこしいい声を上げろよっ!」

「ぐぇっ」



 思い切り踏まれてしまい、カエルのような声が出てしまう。


 それが余程面白かったのか、いじめっ子はゲラゲラと下品に笑っている。


 不快な声を聞きすぎて、嫌気が差してきた。

 その時――


 

「ちょっとやめなよー。かわいそうでしょー」



 鈴のような声が、空気を鮮やかに塗り替えた。


 ボクは咄嗟に声の主に目をやる。



 とてもかわいらしい少女が立っていた。

 ブロンドの髪に陶器のように白い肌。

 四肢はほっそりとしていて、立っているだけで絵になっている。

 ステージの上にいると錯覚してしまうほど、空気を明るくするような存在感を放っている。


 白ギャルちゃん。

 クラスの中ではそう呼ばれている、学校一の美少女だ。 


 でも、性格は全然かわいくない。

 次の会話からよくわかる。



「おいおい、彼氏のオレよりもコイツの心配をするのかよ」

「違う違う。あなたのシューズがかわいそう、って言ったの。地面より汚いものを踏ませるなんて」



 いじめっ子と白ギャルちゃんはゲラゲラとわらった。

 かなり酷い物言いだ。


 でも、ボクはずっとある一点を眺め続けていた。



(ああ、白ギャルちゃん、いい脚してるなー)



 白ギャルちゃんのおみ足に、目を惹かれ続けていた

 細くてしなやかで、美しい曲線美を持っている。

 まさに理想の脚といえる。


 ボクの視線に気づいたのか、白ギャルちゃんは数歩退いてしまう。



「なに、キモいんだけど」



 本当に嫌悪感が

 それを聞いて、ボクの顔が真っ赤になる。



(ああ、もっとなじってほしい。責めてほしい。蔑んだ目で罵倒してほしい)



 ボクがイジメを先生に告白しない理由。

 それは、憧れの白ギャルちゃんとの繋がり・・・を手放したくないからだ。


 イジメられている間だけ、彼女はボクを見てくれる。

 それだけで満足だ。


 大きめのピンクのスニーカーと、そこから伸びる足。

 それをを見て、つい頬がほころんでしまう。


 ボクの表情に気づいたのだろう。

 いじめっ子の顔が真っ赤になる。



「お前、他人の彼女の脚を見てるんじゃねえよ!」

「ぎゃっ!」



 また踏まれた。

 今度はかなりの力だ。


 ボクの惨めは姿を見て、白ギャルちゃんは



「本当サイアク。もっとやっちゃえ!」

「あいよ! っと」

「がっ!」



 白ギャルちゃんが命令すると、いじめっ子は即座にボクを踏みつけた。


 その姿をみて、ボクはひそかに笑う。



(彼氏というより、ペットみたいだ)



 でも、ボクはそのペットに踏みつぶされている。


 それが悔しくて、仕方がない。


 ボクが踏まれたいのはいじめっ子の方じゃない。

 踏んでもらえるなら、白ギャルちゃんの方がいいし、ペットになりたい。



「もう、やめて……」

「悔しかったらオレに勝ってみろや

 そうだな。2週間後の運動会で、徒競走でお前が勝てたら、イジメるのをやめてやるよ」

「ふふふ。無理だろうけどね」



 白ギャルちゃんに同調されて、さらに気をよくしたのだろう。

 いじめっ子はとんでもないことを口走る。



「もし勝てたら、白ギャルちゃんをくれてやるよ

 まあ、どんくさいお前には一生かかっても無理だろうがな!」



 真っ先に反応したのは、勝手に賞品扱いされた白ギャルちゃんだ。



「ちょっと、ナニソレ!」



 彼女の悲しそうな顔を前に、いじめっ子は自信満々に胸を叩く。



「全然問題ないだろ。オレがコイツに負けるわけがないんだからな!」

「それもそうね。アナタが負けるわけないものね」


 

 白ギャルちゃんはポッと頬を赤らめた。

 二人は身を寄せ合ってイチャイチャしている。

 

 その姿を見ていると、ついつい考えてしまう。



(白ギャルちゃんがボクの彼女・・・・・・だったら、最高なのになぁ)



 いや、ただの願望で終わらないかもしれない。

 さっきいじめっ子は言った。


 もし勝てたら、白ギャルちゃんをくれてやるよ、と。


 万が一でも可能性が生まれた。



「本当にキモチワルイ!!」



 ボクの希望を断ち切るみたいに、白ギャルちゃんの罵倒が飛んだ。


 おそらくは願望が顔に出てしまっていたのだろう。

 ボクは顔を蹴り飛ばされた。



 それからしばらくイジメは続いたのだけど、白ギャルちゃんの脚に癒されながら耐え続けた。





◇◆◇◆◇◆





 カーとカラスが鳴き、町中に『ゆうやけこやけ』が流れている。

 河川敷は夕焼けに真っ赤に染まっていて、帰宅の足音でせわしない。


 もうボクも帰らないといけない時間だ。


 だけど、まだ帰るわけにはいかない。


 2週間後の運動会に向けて、練習をしないといけない。

 いじめっ子をぎゃふんを言わせるために。

 白ギャルちゃんを手に入れるために。


 でも――



「あーもー、全然うまく走れないっ!」



 何度走っても、ボクの足は速くならない。

 一朝一夕の努力では、どうしても限界はある。


 いじめっ子は学年で一番の俊足だ。

 大きい図体なのに、かなり機敏な動きで走る。

 このままでは天地がひっくり返っても、勝てるわけがない。


 悔しさのあまり、地面をひっかく。



「このままじゃ、白ギャルちゃんを寝取れない!!!」



 そう叫んだ矢先だった。



「おや、お困りかね」



 背後から声をかけられた。

 とっさに振り向くと、初老の男性が佇んでいた。


 仕立てのいい服を着ていて、とても羽振りがよさそうだ。


 おばさん方に人気がでそうな、甘いマスクをしているけど、今は怪しげな笑みを浮かべている。


 その顔に見覚え・・・があって、ボクは思わず叫ぶ。



「あなたは布輪ふりん道場の師範代!?」



 師範代は意外そうに目を大きくした。



「ほう。よく見れば、以前体験入会してくれた子じゃないか」

「一回だけだったのに、覚えてるんですか?」



 ボクは一瞬、師範代を見直しかけた。

 だけど、次の言葉で台無しになる。



「ふむ。君の母親はいい尻をしていたからな。しっかり覚えているぞ。思い出したらしゃぶりつきたくなってきた」

「……最低ですよ」



 一気に最悪な気分になって、目の前の師範代をにらみつける。


 ボクの顔を見て、師範代は顎を擦りながら呟きだした。



「君、悪くないな」

「!?」



 ボクはとっさに尻の穴を閉めた。


 知識はなくても、本能で察していた。

 こいつの前で尻の穴を無防備にしてはいけない、と。


 だけど、師範代は露骨に顔をしかめるだけで、何もしてこない。



「そんなに身構えるなよ。今のオレにそっちの趣味はない」



 そして「まあいいか」と独りで諦めてから、ボクに向かって言い放つ。



「お前に〝魔法〟を授けよう」



 その時のボクの顔をぜひとも見てみたい。

 きっと、疑心暗鬼を煮詰めたような顔をしていただろう。



「魔法って、ボクをバカにしてるんですか?」

「そうだな。実践して見せた方が早いか」



 師範代はおもむろに人差し指を立てた。


 そしたら突然――


 ボウッ、と。


 火が灯った。ライターみたいに。

 あまりのしょぼさに、ボクのテンションはダダ下がりした。



「手品ですか?」

「ふむ。これではダメか。では、君のケガを治してみせよう」



 言うや否や、師範代の手が光った。

 かと思ったのも束の間。その光はボクの体に伝播していく。

 そして、たちまちに痛みが引いていった。



「うそ……」

「うそではない。魔法だ。これで信じてくれたかね?」



 ボクは興奮のあまり、コクコクと何度も頷いた。


 そして、態度を一変させる。



「ボクも魔法を使えるようになるんですか!?」



 師範代は困惑しながら答える。



「そ、そうだな。『スタートダッシュ魔法』は教えてやれる。

 その名の通り、スタートダッシュがとんでもなく速くなる魔法だ。小学生同士なら、十分勝てるようになるだろ」

「え、普通に『足が速くなる魔法』がいいんですけど」

「あるにはあるが、習得が難しくてな。おそらく2週間では覚えられないだろう」



 ボクはため息をついてから、低い声で言う。



「そこは妥協ですね。仕方なしです」

「お前、結構いい性格してるよな」



 師範代は呆れながらも、話を進める。

 


「まったく。『スタートダッシュ魔法』を覚えることは、お前自身の身を守ることにもつながるんだぞ」

「どういうことですか?」

「君は知っているかな? 君がイジメられている真相を」

「真相……?」



 ボクはゴクリと息を呑んだ。

 そして勿体つけながらも、師範代は言い放つ。



「黒幕は担任の先生だよ」

「担任の先生が……!?」



 ボクが驚愕に目を見開くと、不倫師範代はしたり顔を向けてきた。



「あの男は、お前を性的な目でみている」

「何を言ってるんですか……?」



 頭が混乱していて、全然話を咀嚼できなかった。

 それでもお構いなしに、師範代は話を続ける。



「君は母親に似て、いいお尻をしている。それが琴線に触れたのだろう。

 アイツは常に、お前の尻ばかりを見ているぞ」



 衝撃のあまり、ボクは開いた口が塞がらなかった。

 それでも、必死に舌を回す。



「でも、なんであなたがそんなことを知っているんですか?」



 師範代はボクの問いに、淀みなく答える。

 でも、内容は最悪だ。



「不倫に大事なのは、リサーチ力だよ。巧妙に隠れるためには、相手の情報が肝要だ。まあ、これも魔法を応用したものだがな。

 ちなみに絶倫とアソコの固さを維持しているのも、魔法の力だ」

「最低な魔法の使い方ですね」

「言ってくれるじゃないか。

 まあ、君のような生意気小僧は嫌いじゃない。媚びを売るような子供より、よっぽど子供らしい」



 一通り説明を終えて、本題に戻る。



「どうだね。君には『スタートダッシュ魔法』が必要だろう」

「……そうですね」



 ここまでの話を聞いても、ボクは乗り気にはなれなかった。


 その様子を見て、師範代がダメ押ししてくる。



「最後に、君がやる気になる情報をあげよう」

「やる気になる情報ですか……?」



 わざわざ大きく息を吸い込んで、彼は自慢げに言う。



「白ギャルちゃんは一番足の速い男の子に惚れる」



 聞いた瞬間、ボクの心に雷が落ちた。



「つまり、ボクが徒競走で一番になれば、本当に彼女をゲットできるということですか」

「そういうことになるな。いじめっ子から彼女を寝取れる。これ以上の快楽はないだろう?」

「最高じゃないですか! すごい! これでやっと踏んでもらえるっ!」



 ボクは歓喜して、力強くガッツポーズをとった。


 その横で――



「え? 踏んで……? SM?」



 予想外の言葉に、師範代は目を白黒させていた。




◇◆◇◆◇◆




 こうして苦しい修業が始まることになった。


 だけど、ほとんどが師匠の不倫を止める作業だったため、割愛させてもらう。


 運動会前日になってようやく『スタートダッシュ魔法』を習得することが出来た。



「よくやったな。これでお前は徒競走で」

「ありがとうございます!」



 修業が終わると、ボクと師範代の間には不思議な絆が生まれていた。


 ボクは最初から疑問に思っていたことを、投げかけてみることにした。



「師範代はなんで、ボクに手を貸そうとするんですか」



 少し考えてから、彼は口を開く。



「強いて言うなら、お前が望んでいたからだ。それ以外に理由はない」

「どういうことですか?」



 言葉を吟味するように舌を転がしながら、師範代は答えていく。



「他人の役に立つ。それがワシの存在理由だ。そういう風に生まれてきただけだ」



 予想外の答えに、ボクは唖然とした。

 だけど、すぐに疑惑の目に変わる。



「それでなぜ、不倫をするんですか」

「奥方たちが求めてくるから、仕方がないのだ。ワシとしては期待に応えるしかない」

「それにしては、楽しんでるんじゃないすか」

「楽しむのも人助けの内だよ。奥様を喜ばせるためさ。子供にはまだ早い話だったかな?」



 師範代の顔を見て、疑惑は確信へと変わった。

 適当こいてるだけだ。



「狸じじいが」

「全く、クソガキじゃな」



 ボクたちは笑いあって、別れた。

 特に言葉はいらなかった。

 


 これでボクの修業は終わった。

 あとは運動会で全力を出し切るだけだ。




◇◆◇◆◇◆




 運動会当日。


 奇しくも、ボクといじめっ子は隣同士で走ることになった。

 いや、これも担任の策略なのかもしれない。


 傷心のボクを慰めて、いけないことをする腹積もりだ。

 証拠に、担任はボクのお尻をずっと見ている。



(そう簡単にいかせるかよ)



 心を引き締めて、スタートラインに立つ。


 すると、隣のいじめっ子が声を掛けてくる。



「なんだ、本気で勝つ気なのか?」

「…………」



 ボクは無視を決め込んだ。


 それが気に食わない様子だけど、先生や保護者の目があるから手は出してこない。

 今は純粋に、脚力だけの勝負だ。


 体育委員の子が旗と空砲を構える。



「位置について」



 スタンテングスタートの構えを取って、足に意識を集中させる。



「ヨーイ」



 魔法の準備を整える。



「ドン!!!」



 空砲とともに、ボクは『スタートダッシュ魔法』を発動させた。


 すると、たった一歩で5メートル近くも進んだ。


 もうボクの前には誰もいない。



(やった!!!!)



 スタートダッシュは成功した。

 だけど、その後・・・のことは全く考えていなかった。


 スタートダッシュのスピードが速すぎて、ボクの体はついていけなかったんだ。


 足がもつれる。

 体勢が崩れて、転んでしまう。



「――――ッ!」



 スタートが終わってしまえば、ボクはただのどんくさい少年に戻ってしまった。


 すぐに立ち上がろうとした。

 だけど、周囲の反応に気付いて、体が動かなくなってしまった。


 誰もボクに手を差し伸ばさない。

 それどころか、冷笑して追い越していく。



(立ち上がっても、もう間に合わない)



 そう思った瞬間、白ギャルちゃんの姿が見えた。


 ボクに目もくれず、いじめっ子のことを応援している。

 彼は先頭を独走していて、1着になるのは確実だ。



(ああ、あの視線を独り占めにしたい。あんなことやそんなことをしてもらいたい)



 でも、もうその願いは叶わない。


 そう思った時、ボクの心に宿ったのは諦め・・ではなかった。



(いや、まだだ)



 頭の中は、一つの閃きに支配されていた。


 ボクは立ち上がって『スタートダッシュ魔法』を発動させる。


 そして、さっきと同じように転びかけてしまう。



(まだだ!!!)



 だけど、その瞬間もう一度『スタートダッシュ魔法』を発動させた。 


 すると、一瞬で10メートル近く進んで、一人を追い越す。


 また転ぶ前に『スタートダッシュ魔法』を発動させると、さらに二人ごぼう抜きできた。



(そうか! そういうことだったんだ!)



 ボクは気付いた。


 転んでしまったら、またスタートすればいい。

 僕はずっと走り続けているんじゃない。

 永遠にスタートし続けているんだ。


 終わりや始まりなんて、自分で決められる。

 一歩進んだら終わって、次の一歩でまたスタートするんだ。


 そうすれば、誰にも負けない。

 誰もボクに追いつけない。


 でも、転んだ時間があまりにも長すぎた。



(もうゴールしかけている!)



 いじめっ子はもう、ゴールテープを切ろうとしていた。


 ボクが間に合うかどうか、ギリギリのラインだ。



「間にあええええええええええええ!!!」



 全力で魔法を使った。

 それだけで足りなくて、脚に全力で力を込める。


 そして、タッチの差だった。


 タッチの差で、ボクが速かった。



(やった!!!!)



 ボクは歓喜しながら、白ギャルちゃんに視線を送った。

 驚きながらも、ボクに熱い視線を送っている。


 明らかに、ボクに心が動いている。


 いじめっ子は悔しそうに項垂うなだれている。

 もういつもの怖さはどこにもない。

 でも、少し興奮しているように見えるのはなぜだろうか。


 とにかく、ボクの心は踊った。



「やったぞおおおおおおおおおお!!!」



 ありったけの感情を込めて叫んだ。


 だけど、すぐに気付く。

 絶望的な現実に。



「あ、あれ。と、止まれない!」



 『スタートダッシュ魔法』を使いすぎて、足が止まらなくなっていた。


 気付いたころには、壁が迫っていた。



「うそおおおおおおおおお!!」



 すごい勢いで激突して、高くなった鼻をへし折られてしまったのだった。


 尚、師範代はその裏で、不倫をしながら「まだまだだな」と鼻を鳴らしていた。






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