ホシフルヨルニ

「ひとくん、したっけね」


「うん、文乃も。気をつけて帰ってね」


 僕は石山小学校三年の、大野人良。ひとくんってあだ名で呼ばれてるけど、実は少し気に食わない。なぜなら人は人だからだ。つまり、ひとくんの意味は、ただの人間じゃないか。人間、人間。そう呼ばれてるのと同等なのだ。しかし、周りのみんなは悪くない。僕が気に食えば良いだけの話なのだから。

 そして下校を共にした文乃は、隣町に住んでいる幼なじみ。文乃の家の近くにはレンタルビデオ屋さんがあるので、ビデオを借りるついでに遊ぶことも多い。たまに、近くのスーパーでアイスを買い、早食い競走をしたりもする仲だ。幼なじみにしては、仲良くやっている方だと思う。

 文乃と別れたあとの下校道。北海道の冬は寒く、閑散としている。降る雪がほこりのように煙たく感じることもあれば、雪はねを想像してしまい吐きそうになることもある。いっその事、降る雪が全部メルディーキッスになってしまえばいいのに、と小学三年生の僕は思うのだ。

 そうこう考えているうちに、一時間に二本しか来ないバスが遠くからやってくる。バスが停留場に到着する前に、履いていた手袋を脱ぎ、定期券をポケットから取り出す。バスが停留所に到着した頃には、指先が少し赤らんでおり、あらためて北海道の恐ろしさを再認識させられる。

 バスに揺られること、十分。文乃が下校中に言っていた話を、突然ふと思い出したのであった。


「今日の夜、楽しみだ……」


 そう呟いた僕は、右手に握りしめた定期券をバスの運転手に見せ、バスを後にした。

 今日は給食がカレーだったので、家でもカレーの確率が高い。うん、きっとそうに違いないぞ。

 そう確信した僕は、シンシンと降り積もる雪を掻い潜りながら、そそくさと自宅まで帰るのであった。


 ー ー ー ー


「ただいま〜」


「おかえり、人良。外寒かったしょ、早く手洗ってこっちおいで」


 ジャンバーとニット帽に積もった雪を玄関でしっかりほろって、家に入る。玄関の扉を開けてすぐ思ったのだが、僕の予想は外れた。匂いがしない。

 ガッカリしながら、手を洗いに洗面所に向かうのであった。


「今日ね、文乃がこんなこと教えてくれたさ」


「あんたたち、こんくらいの時から仲良いもんね〜」


 お母さんは、膝元の横まで左手を伸ばして言った。


「あのね、夜、空を見ると、星が落ちてくるんだって。流れ星って言うんだけどね」


「なにさ、流れ星もアンタ知らなかったのかい! あはは!」


 そう言って立ち上がり、台所へ向かっていくお母さん。今日のご飯はなんだろう。


「人良、今日はオムライスだよ。まだ早いけど、作っちゃっか?」


「うん!」


 ー ー ー ー


 時刻は、夜の九時。小学三年生の僕は、そろそろ寝る時間だ。だけど、今日からは違う。文乃の言ってたこと、確かめなきゃ。

 二階にある自室の窓からは、空が良く見える。田舎、ということもあり、裏には畑が一面に広がっている。電気を付けていると、部屋の明かりが窓に反射してよく見えないため、電気は予め消しておく。


 ーーーー始まりだ。絶対に流れ星、見てやる。


 グーグー……グガァァ……

 んん〜……グーガァァァ……

 フ〜……パチンッ!!


「お、おお、おぉ……」


 晴れた日の空は、星が良く見える。雪が降らない分、風はとてつもなく冷たいが、それでも空は輝いて見える。僕はまだ理科の授業で星座を習っていないので、詳しいことは分からない。ただ星の数を数えていただけなのに、どうやら眠ってしまったようだ……。


「ほし、星見なきゃ」


 何も落ちてこない。ただ、三日月の位置が変わるだけ。

 なんだ、文乃の嘘だったんだ。この文乃の嘘つき。明日覚えてろよ。

 そう言って僕は、ベッドに横たわったのであったーーーー。



「文乃の嘘つき! このバーカ! アホ!」


 僕は朝イチバンに文乃の席へ行き、言いたいことを全部言ってやった。文乃はなんのことかイマイチぴん、と来ておらず、きょとんとした表情を浮かべている。


「おいヒト野郎、お前文乃の幼なじみだからって調子乗ってんじゃねぇぞ!」


 そう話しかけてきたのは、クラスメイトの郎太。どうやら文乃が好きみたいで、僕が文乃と話しているといつも間に割入ってくる。僕文乃のこと全然好きじゃないので、嫉妬とかやめて欲しい。


「別に、調子に乗ってなんかないよ。ただ、昨日文乃が、流れ星の話するから、僕も空を見てみたんだけど、そんなの嘘だったってこと」


 俺が不貞腐れながら言うと、郎太は文乃の机を両手でバンッ! と叩きながら僕に言った。


「流れ星なんて毎日見れるわけないべや! お前はバカなのか!!」


「……う、うぇ、うぇ〜ん……」


 僕たち二人が言い合いをしていると、怖かったのか、文乃が泣き出してしまった。すまん、ごめん、と二人で謝りながら、なんとか朝の会までには収めることが出来た。

 それにしても、流れ星は絶対見れるものでは無いのか。それじゃあ、見れる時まで粘るまで。今日から毎日張り込むぞ!!


 ーーーーあれから二週間が経った日の夜。今日はマイナス二十度まで下がる、寒波到来の日。雪の結晶はよりいっそうキラキラと輝き、星たちもそれに呼応するかのようにチカチカと輝きを増す。そんな日の夜。僕は相変わらず、星を眺めていた。

 うと、うと……。右目を瞑り、左目だけを開けた状態で夜空を眺めていた。その時、今まで動かなかったはずのモノが、少しづつ動いているような気がした。


「ま、まさか……!」


 これが文乃の言う、流れ星なのかもしれない! 思ったよりも星はゆっくり流れている。星が僕にお願いごとをする猶予を与えられている、そんな気がした。僕はすかさず願いを口に出すことにした。


「僕の願いを叶えて! 僕の願いを叶えて! 僕の願いを叶えて!」


 何か一つ、例えば『ゲームが欲しい』 などとお願いするよりも、“僕の願いを叶えて”とお願いすれば、自分が考えたもの全てが叶う、そんな気がして僕はこう叫んだ。小学三年生ならではの荒業。青臭い僕だから許されるお願いだ。

 すると流れる星は、どんどんと視界を占領していき、次第に感じたことのないくらいの眩しさが自分を覆いーーーー気づくと、何事も無かったかのように、いつもの空が広がっていた。


「なんだったんだろう、今の……」


 僕は疑問に思いつつも、十時の時計を見て、すかさず寝ることにしたーーーー。


 ー ー ー ー


「ねぇ、よっちゃん。今日文乃ちゃん来てないんだけど、何か知らない?」


 朝の会が終わって僕の席にいち早くやってきたのは、僕の彼女の佳奈。今日もかわいい。僕の自慢の彼女だ。


「いや、知らない。僕、そもそも文乃と仲良くないし」


 どの口が! と、佳奈が僕の耳を引っ張ってくる。


「あいたたた……。ほら、朝の会で先生も言ってただろ? 文乃は体調不良で当分休むって」


 いや、でも……と眉間に皺を寄せる佳奈。何がそんなに引っかかるのだろう。


「先生、いつも誰かが休む時は、具体的な症状を言うんだよ。例えば喉風邪を引いた時は、誰々さんは喉が痛いため、今日はお休みです、って」


「それが何か関係あるの?」


「大ありよ。つまり先生は、体調不良なんて言葉を使わない。なのに、今日は文乃ちゃんに大して、曖昧な言葉を使って私たちに説明をしたのよ」


「何か、事件の香りがするな……」


 僕がそう言うと、佳奈はフンッ! とそっぽを向いてしまった。


「もう知らない、友達の心配も出来ないような男なんて、嫌い」


 あー、そうですか、と僕が自分の席に戻ろうとした時、教室の扉が勢い良く開いた。


「みんな! 俺昨日Switch買ったんだが、みんなでやらねぇか? よし、やるべやるべ!」


 担任の田中先生の言う言葉に、みんな口を開いてポカーン、としていた。


「ど、どういうことっすか先生? 一時間目体育なんじゃ……」


 郎太が先生にそう聞くと、田中先生は大きなため息をつき出した。


「お前らな、Switchで運動出来るんだぞ? 知らないのか?」


 知ってる! リングフィットでしょ! ジャストダンスでしょ! と、教室中がざわめきだす。


「まぁ、でも俺が今日持ってきたゲームは、スマブラなんだけどな。男は拳で殴りあってなんぼだ! ほらお前ら、殴り合え!!」


 フォォォォ!! 教室中に歓喜が溢れる。男の子達はスマブラのキャラで誰が強いのか話し合ったり、戦い方で盛り上がってる反面、女の子は呆れた顔をしていた。

 それにしても、先生、どうして急にSwitchなんか……。まさかとは思うけど、昨日の流れ星のおかげかな?

 確かに僕の願いリストの中には、『授業中にスマブラ大会』がある。まさか、ね……。

 元々体育だった一時間目は、みごとスマブラ大会に変わってしまったのであった。

 これはすごいぞ。今日の夜も星、見なきゃ。


 ー ー ー ー


「えー、今日は郎太くんが体調不良で、当分の間お休みをします。みんなも体調には気をつけるように。朝の会、終わり」


 昨日の文乃に続いて、今日は郎太。これは佳奈の言っていた通り、何かがおかしい。


「私の勘、当たってたでしょ。何か、おかしいのよ」


「あ、あぁ、そうだね。僕もおかしいって思い始めてきた」


「そもそも、二日連続で、しかも二人とも同じ理由で休むなんて変なのよ。色々考えてみましょ」


 佳奈が推理をするその姿は、まるで某探偵アニメに出てくるショートカットの女の子のようだった。


「考えられる理由は、一つ。文乃のあとを追って、郎太も何かしらの怪我を負った」


「そ、そんな事あるわけ」


「よっちゃんも知ってるじゃない。郎太が文乃のこと、好きなことくらい」


 あぁ、もちろん、と返事をする僕。そもそも、小学三年生に推理をする脳みそなど入っていない。僕はじっと彼女の話を聞くことしか出来ないのであった。


「恋は盲目。好きな人が死ねば、自分も死ぬ。そんなこと、ありふれた話よ」


 なんて物騒な話をしているんだ佳奈は。想像したら少し、気分が悪くなってきた……。

 そんな時、またもや教室の扉が、勢い良く開かれた。


「みなさん、今日は調理実習をします。一時間目から五時間目まで行うので、皆さんそのつもりで」


 また、クラス中が静まり返る。一体昨日といい、今日といい、なんだと言うのだ。

 しかし偶然にも、僕の願いリストに『一日中調理実習』がある。僕のおかげ、なのだろうか……。

 家庭科室では包丁の正しい使い方を覚え、カレーとホットケーキを作った。だいたい調理実習に五時間という時間は長すぎたようだ。昼休みを開けた後は急遽体育館でレクをすることになってしまった。


 思う存分食べ、思う存分体を動かす、天国のような時間。ただちょっとだけ、文乃と郎太がいない分、物足りない感じがした。

 いつ戻ってくるのかな、あの二人。早く話したいな。


 ー ー ー ー


 帰宅。玄関の扉を開けると、鼻に突き抜けるこの匂い。どうやら、奇跡が重なったようだ。


「ただいま〜」


「おかえり。今日はあんたの好きなカレーよ。早くて洗っておいで」


 学校でカレーを食べて、家でもカレーを食べる。そんな夢みたいな日が、今日やって来たのであった。星のおかげなのか、ただの偶然なのか。考える暇もないほどにカレーを頬張っていたのであった。


 ーーーー夜。僕は今日も相変わらず、星を見ていた。キラキラ、ピカピカ。何度見てもきれいだ。しかし、今日は体を動かしたからか、眠い。眠すぎる。星を見ながら三分ほどしか経っていないのに、気づくと眠ってしまっていたーーーー。


 ピタッピタッ。臭い。生臭い。スーパーの生鮮コーナーのような匂い。手がヌメヌメする。なんだろう、これ。夢にしては、リアルだ。とにかく、臭い。夢、じゃないのかな。怖い。何かものすごい恐怖心に包み込まれていく。今なら、目、開けられる。僕は、どうしたらいいのだろう。


 でもこの匂い、気になる。手のヌメヌメも、気持ち悪い。目、開けてみようーーーー。


「う、ウワァァ!!」


 目の前には、人が一人、赤い水たまりの中で横たわっていた。着ている服、髪の毛、全てが赤く染まっている。ピチャ、ピチャと赤い何かが皮膚を伝って垂れ流れていく。

 僕の手も、真っ赤。右手には、調理実習の時に使っていた包丁。包丁までもが赤く染っている。


 とにかく怖い。今すぐここから、逃げ出してしまいたい。でも、まだ、確認できていないことがある。それは、目の前にいる人が、誰なのか、だ。

 恐る恐る近づいて、うつ伏せになったその人を仰向けにさせるとーーーーショックのあまり、僕は気を失ってしまった。


 ー ー ー ー


「あの、人良くん。ちょっといいかな?」


 次の日。僕は昨日見たものが何かも分からず、食欲も湧かないまま、とりあえず登校をした。だけど、頭の中は昨日のことでいっぱいだ。何がなんなのか分からない。見たものすべてに理解がいかない。夢、であってほしい。いや夢であって欲しい。一人考えを巡らせているとき、学級委員長の春夏が僕の席まで来て話しかけてきた。


「君の彼女の佳奈さんが、体調不良で当分休むって話、何か心当たりはある?」


 昨日みたものが本当であるならば、心当たりがある、と言った方が正しい。しかし確証がない今、僕の口から言えることは何も無い。


「ねぇ、黙ってないで話してよ」


 しかし僕は、口を開くことは出来なかった……。


「みんな、今日はドラマを見よう! 授業の調整だ。みんなが頑張って授業を受けてくれた分、一年間の授業数が少し余っゃってな」


 またもや扉を開け入ってきたのは、熱血の体育教師、田中先生。僕の願いである、『授業中にドラマを見る』が叶ってしまう。何か嫌気を差した僕は、先生の前まで足を運んでいた。


「せ、先生、今日は、普通に授業しましょうよ……」


 ガタガタ。体も声も震えるなか、精一杯の力で先生に訴えた。


「ちょっと難しい話するけどよ、体育の年間授業数足りちまってるんだ。だからこれ以上授業をすると、俺が校長に叱られる。……な、理解してくれ?」


「は、はい……」


 仕方なく、ドラマを見ることにした。

 内容は、中年の凄腕デカが、長年追いかけてきた殺人犯を追い詰める話。


「とうとう、会えたな真島さんよ」


「俺を見つけるのに三十年もかかるだなんて、ケイサツさんも終わってますねぇ! ギャハハ!」


 デカは静かにタバコに火をつけ、一歩、また一歩前へと進んでいく。プハァ、と吐いた煙が、林の中を駆け巡る。


「おっと、その左手に持ってるものはなんだい? まさかそれで、俺を殺ろうだなんて考えじゃないだろうな?」


「ははは、これか? これはお前を殺るための道具だぜ?」


 デカはタバコの火を吹き消したあと、左手に持った銃を装填し始めた。


「おいおい、お前はデカさんだろ? 生きた俺を捕まえるのが仕事じゃねぇのか?」


「……長年の捜査の末に出た答え。今更誰にも変えられにゃしない。ここまでだったな、真島さんよ」


「ちょ、ちょちょ、待て! 待てって!」


 パンッ!!


 林中の鳥たちが鳴きながら逃げ惑う。周囲の草花はザワザワと音を立て、命がひとつ無くなったことを、自然が受け入れたのであった。

 僕はこのドラマを見た瞬間、何か嫌な考えが頭をよぎった。


 まさか……ね。


 ー ー ー ー


 僕はまた、ただ一人この不思議な空間に経っていた。ピタッピタッ。臭い。生臭い。またこの悪臭が、僕の鼻中を駆け回っていく。怖い。立っているのが不思議なくらい、恐怖感でいっぱいになっていく。

 どうして今僕は、学級委員長の春夏に向、銃なんか向けているのだろう。とうぜん、銃の使い方なんて分からないのに。お祭りの景品で貰うようなピストルとは全く違い、銃がものすごく重いことだって、今知ったのに。


「人良くんが口開かないから、強く当たっただけなのよ! 勘違いしないで! ね、ね? これから優しくするからさ! 学級委員長の特権で、毎回あなただけプリン二個にしてあげるから、だから、お願いーーーー」


 パンッ!!


 耳を突き抜けるような、鋭い音とともに、ヒトが死んだ。たぶん、僕の手によって。

 僕はもう、考えることを辞めた。


 ー ー ー ー


「文乃だが、実はなーーーー」


 朝の会。田中先生は非常に悔しそうな顔をしながら、しどろもどろに重い口を開いた。

 どうやら、文乃が死んだらしい。死因は、何者かに殴られて、出血多量での死亡。発見が遅れたため、回復の余地なく死んで行ったらしい。

 そう、あの日は学校でスマブラをする前日。星が、僕の願いを叶えてくれた日。楽しかった。非日常感が、小学生の僕にはたまらなく嬉しかった。騒ぎまくって、顔が真っ赤にもなった。そんな日の夜、僕はまた星を眺めていた。

 スマブラ大会をした日には、郎太が死んだ。

 そして彼女である佳奈は、一日中調理実習があった日に、何者かに包丁で刺されて殺されたらしい。学級委員長の春夏は、狩猟用の銃で射殺されたらしい。


 ーーーー僕の手で殺したのだろう。記憶には、ない。だけど、小学三年生の僕でも薄々気づいてしまった。間違いなく、僕だ。星に願いを叶えてもらったから、その代償、とでも言いたいのだろうか。

 悪夢だ。こんなの、現実じゃない。僕は多分、あの星が光った日から、夢を見ているだけなんだ。この悪夢を覚まして欲しい。早く、誰か。


「あぁぁァァァァァ!!」


 僕は突然叫び出し、気を失ってしまったーーーー。

 気づくと僕は、自室のベッドに横たわっていた。

 僕の願いリストには、終わりがない。ノート二冊分は、ある。これでは毎日、周りの人が死んでしまう。もうこの悪夢、終わりにしたい。


 ーーーー僕は今日から、星を見るのを辞めた。


 ー ー ー ー


「アンタ、そろそろ学校行ったら? もう三週間も行ってないしょ。先生も心配してるべさ?」


 先生が、心配? 僕を? なぜ? どうして、文乃や郎太たちのいない学校にわざわざ行かなきゃいけないの? どうして僕は仲のいい友達を殺さなきゃ行けなかったの? もう、僕の願いを叶えるのはやめてよ。


 僕の手で、大切な人を殺した。そんな悪いことをした僕に、学校に行く権利なんてないよ。この世界を生きていく権利も。


 僕はいつも星空を見ていた窓を勢い良く開けて、星に全ての理由を聞こうと、窓から空へと飛び出したーーーー。

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ホシフルヨルニ ヨネフミ @yonefumi

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