百。蟲読(完)

 「蠱読」と呼ばれる呪法がある。蝟集いしゅうした百の奇譚を、日次ぎ読ませて行う。文字の毒は心胆に滴り、やがて命を軽んじ、けがれに染まり、怪異に近づく。ひいては人をあやめ、まつりごとを誤り、世に災いを為す。これを戯言とう者のみ呪いを逃れる。されど文字の毒は消えず、心胆に滴り続ける。

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〘蠱読〙〜140字の毒〜 梶野カメムシ @kamemushi_kazino

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