運動するにもストレスかかる〜『運動脳』を読んで〜
運動しないと……。運動しなければ……!
アンデシュ・ハンセンの『運動脳』を読んだ。
この本は「狩猟生活を主としてきた人間にとって運動は必須なんだ!」という説を裏付けるために、健康や学力、ストレス耐性、集中力などさまざまな視点から運動の万能性を解いていく。
読んでいて「もうわかったから!」と言いたくなるぐらい、とにかく「人間は運動すべし」という主張が繰り広げられる。
なんか最近メンタルが不調だなぁと感じていた私は、運動不足が原因なのではないかと思いこの本を手に取った。その仮説は当たっていたようだ。運動をすればストレス耐性があがり、心身ともに健康になるそうだ。
よし、運動しよう。
とはいえ、外は暑い。
家から歩いて5分ほどに公民館があり、その中に小さいスポーツジムがあったのを思い出す。
住んでから4年が経つが今まで行ったことがなかった。
明日休みだし、行ってみるか!
心配性の私はまずはGoogleマップで口コミを調べてみる。
「きれいなジムです。ただ、スタッフの対応が最悪です」
「受付の方があまりにも横柄」
「スッタフの態度が悪い。こんな老人にはなりたくない」
スッタフの悪口で溢れかえっていた……。
運動してストレス耐性身につけたいのに……、なんだかジムに入る前にストレスで倒れてしまいそうだ。
嫌な妄想をしてしまう。
話しかけたら不機嫌な態度とられるんじゃないか。
まずは着替えてから来いよ!ってキレられるんじゃないか。
説明をちょっとでも理解できなかったら、鼻で笑われるんじゃないか。
そんな妄想がどんどん広がっていく。
夜寝る前によくやってしまう私の悪い癖だ。
翌日。
気が重い……。
ジムは午前中に行きたい。けど午前中から嫌な思いはしたくない。
外を走ろうか?35度の中走ったら倒れてしまうだろう。
うじうじ考えてたら11時になってしまった。
よし、いくぞ!
まるで怖い上司にミスを報告しにいくかのように、重たい足取りでジムへ向かう。
受付にいたのは60歳を超えていそうな坊主のおじさん。
「はい、どうぞー!」
声が大きい……。あの声量で横柄な態度取られるのきついなぁ……。
「あの、初めてジムを使用するのですが……」
ビクビクしながら話しかける。
「あぁそうでしたか、券売機で券を買われたらこちらの受付にお渡しください。器具を使用する際の注意点ですが...」
あれ?別に嫌な感じがしないぞ。
「説明は以上です。ではお気をつけてー」
説明は終わった。いい人だった。
拍子抜けしたままロッカールームに行く。
口コミの人とは別の人だったのか?ご機嫌がよかったのか?
なにはともあれ、嫌な思いをせずにすんだ。
緊張がどっと解けた。
こういったことをよくやってしまうのだ。私の悪い癖だ。
脳内で架空の敵をつくりあげて、妄想が広がりどんどん嫌なやつにしていく。それで勝手に自分が傷ついているのだ。相手と実際まだあっていないのに。
対面するときには警戒心むき出し。肩にガチガチ力入っている。
で、いざ話をしてみると、案外いい人じゃん。
そんなことをよくやってしまう。
他者からの悪意を怖がりすぎて、脳内で最悪の被害妄想を繰り広げてしまうのだ。
疲れるし、人間関係悪くさせるだけとわかっているのに、ついやってしまう。なかなか変えられない思考のクセの一つ。
これから運動していけば被害妄想グセもなくなるのだろうか。
そんなことを思いながら、ランニングマシーンを走る。
久々のランニングだったので、15分も持たなかった……。
運動を習慣づけして、ストレス耐性強めたいものだ。
読書の旅々 子鹿なかば @kojika-nakaba
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