第63話 アフター 2
夏休み半ば。
僕は地元を離れて某県某所の運動公園を訪れている。
なんでかって言うと、里帆が助っ人加入している女子テニス部がインターハイに出場したから、そのお手伝い。マネージャーが病欠しちゃったから来なさい、と里帆に誘われたのだ。
面倒だな、とは思いつつも、旅費は女子テニス部持ちってことで、タダで小旅行に出掛けられるなら儲けモンだろうと思い、断らなかった。
「山田くんって里帆と付き合ってるんだって?」
「男子が知ったら泣くねーw」
そんなインターハイ初日のお昼、僕は先輩女子部員たちにからかわれつつ支給された弁当を食べている。
午前の初戦に勝ったからみんな調子付いてご機嫌。
女子テニス部だから当然だけど、僕以外女子なので姦しいったらありゃしない。
僕と里帆のお付き合いが部活内で公然となっているのは、多分里帆が自分から言ったんだろうなと思う。その情報を開示することで僕のカノジョとして大手を振れるわけだから、まぁ独占欲が強いことの表れだろう。
「山田くん結構可愛い顔してるね?」
「里帆じゃなくてあたしと付き合おうよw」
「先輩方……」
だからこそ、先輩たちが僕を取り囲んでいることに我慢ならなそうに、里帆はほっぺを膨らませている。
「……お願いですから、琉斗には手を出さないでくださいね?」
「いやいや、軽くお話中なだけじゃんw ね、山田くん♪」
そう言って先輩の1人がわざとらしくしなだれかかってきた。
片側に居るもう1人の先輩も僕の腕をギュッと抱き締めたりしてきて……嗚呼、僕はひょっとしたらモテ期なのかもしません。
「琉斗……あとで覚えていらっしゃいね……?」
ひェ……。
この状況で僕に怒りが向けられるのは若干理不尽な気がする……。
けどまぁ、嫉妬する里帆は良いモノだ。
今まで表では僕への好意を隠していた里帆だが、付き合い始めたことでそれがなくなってくれた。
それって結構、有意義なこととして僕は捉えているのだ。
そんなこんなでランチの時間が終わると――
「バカ琉斗……何を先輩方にデレデレしているのよ」
里帆からひとけのない廊下まで呼び出され、いっぱいキスをされた。
完全に妬いてますねェこれは。ニヤニヤ。
「……何をニヤけているのかしら?」
「な、なんでもないっす」
「まあいいわ……昼休憩が終わるまでここでイチャイチャするわよ」
そう言って里帆がキスを続けてくるので、僕は里帆の身体をお触りする。
里帆が着用中のテニスウェア(ポロシャツ)の内側に裾から手を入れて、スポブラを上にずらしてまろび出たおっぱいを揉む。
むにむにのやわやわでほどよい弾力。
ツンと上向いた綺麗なビジュアル。
このおっぱいが僕だけのモノだと思うと誇らしい気分だった。
「なあ里帆……僕のもイジってくれないか?」
手遊びされないのは寂しい。
「え? イヤよ」
な、なんだって!?
「デレデレしていた罰。お預けよ」
な、なんてこった……。
「でもきちんとあとで気持ちよ~くしてあげるわ♡ 今は我慢なさい。ステイよ」
くぅ……お預けかぁ。
「……だったらせめておっぱいを吸わせてくれ」
「ま、それは許しましょうか。ほら、たぁんと吸うといいわ♡」
腕を組んで寄せ上げられたおっぱいはなんともスケベ。
僕はそんな里帆ぱいを吸って禁断症状を抑えたのである。
◇
その後、午後の部が始まって我が校の女子テニス部は2回戦も無事に突破した。
本日の日程はそれで終了。
僕らは宿舎に戻り、食堂で美味しい夕飯を食べて英気を養った。
それから僕は自分の個室に戻って、備え付けの風呂でシャワーを浴びた。
ちなみに女子部員たちは大部屋を使用していて、風呂に関しては大浴場だそう。
どっちの待遇が好みかは人それぞれだろうけど、僕は個室で落ち着いて過ごせる方がいいから、男子として隔離されて上等である。
とはいえ、就寝前にトランプやろうよ、と先輩たちに呼び出されたときは嬉しかった。
なので大部屋に向かうと、そこは花園。
里帆含む十数名のJKが薄着姿で過ごしているのだから最高としか言えない。
「ねーねー、ほら見てよ山田くんw わたし今ノーブラw」
トランプをやっている途中、先輩の1人がそう言ってシャツの胸元を引っ張って谷間を見せ付けてきた。
ふお……。
「あ、ちなみにウチもブラしてないよ~w」
他の先輩に至っては、そう言ってシャツをたくし上げ……URYYYYYYYYYY!!!
僕の弾道が4上がった(パワプロ)。
「ちょっ、何やってるんですか!」
先輩たちのえっちな行動に里帆が怒っていた。
でも先輩たちは「いーじゃん別にw」と笑いながら僕を誘惑するかのようにお戯れを続けてくる。
……運動部女子は肉食、っていうイメージがあったけど、やっぱりそういうことなのかもなぁ。
気付けばトランプどころではなくなってしまい、僕は先輩たちのストリップショーを見せられ、僕自身も「脱いだ脱いだw」と言われながらズルン、ボロンと追い剥ぎに遭ってしまった(白目)。
そんなこんなで僕が強制キャストオフされた瞬間、部員たちは沸き立った。
何かを指して「彼ピよりでっかw」と言われたときは誇らしかった。
「ほら里帆~、山田くんこんなになってるからどうにかしてあげなよ~w」
「ねw 里帆が何もしてあげないならウチらがヤってあげようかな~w」
先輩たちが里帆を挑発している。
なんだこの状況……頭おかしい(ギンギン)。
「先輩方……どいてください」
片や独占欲を遺憾なく刺激されている里帆は、青筋を立てたにっこり笑顔で寝間着を脱ぎ始めていた。
ま、まさかこいつ……。
「――琉斗、ここでヤるわよ♡」
――やっぱり……(白目)。
「誰にでもおっ立つその悪い悪い利かん坊に分からせてあげようじゃない――一体誰があなたの管理者なのか、をね」
おー! と沸き立つ女子部員たち。
よもやこんな状況でお預けが解除されるとは思わなかったけれど……まあいいか。
女子に見られながら公然とヤる、というのもオツな気がするし。
◇side:顧問◇
「(ヤバw)」
「(すごw)」
「(鬼ピスじゃんw)」
「(そんなにズボズボされて痛くないの?)」
「(子供部屋が刺激されるの、私は好きなので……あぁんっ♡)」
女子テニス部顧問の宮川女史は、大部屋の見回りに来たところで室内からそんな声が聞こえてきたので頭を抱えたくなった。
室内で何が行われているのか大体分かる。
おおよそ青少年にふさわしくない事象だろう。
(ま……喧嘩とかそういうんじゃないから良しとしましょうか)
いちいちこういうのに目くじらを立ててもしょうがない。
彼女らの英気に繋がるのなら、こういうのもアリである。
もちろん公になってはダメなので、誰も来ないように表の見張りでもしておくことにした。
「(あ、山田くんもう出そう?w)」
「(お、里帆ってばだいしゅきホールドしてるw)」
「(山田くんいっぱい出しちゃえ!w)」
「(あ、2人ともビクビクし始めたw)」
「(気持ちよさそ~)」
(若いって良いわね……)
室内からの声にそう思いながら、宮川女史は自らの内股に手を這わせていた。
◇
ちなみに女子テニス部はこの後、見事にインターハイを制覇して故郷に錦を飾ることになったそうな。
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