第56話 ぷにあな探検隊

 妹の萌果は、僕にとってなくてはならない存在だ。

 両親が仕事の関係で1年のほとんどを海外で過ごしているから、家事炊事をこなしてくれる萌果は神様と言える。


 それ以外の部分でも、なんというかこう、妹として近くに居てくれるのが落ち着く。僕にあーだこーだ言ってくるけど、なんだかんだ尽くしてくれる妹を嫌いになることなんて出来ないわけだ。


 そして、そんな萌果が実は義妹だということが最近になって明かされた。

 ずっと二卵性の双子として育てられてきたのにいきなり「違うんだよなあ」と否定された僕の心境としては、まぁそういうこともあるか、って感じではありつつ、やっぱりまだ割り切れない部分もなくはない。

 だから覚悟を決めて萌果の部屋まで来たつもりだが、若干揺らいでいる部分もあった。


「……ホントにシてしまっていいんだろうか」

 

 萌果はまだお風呂中で、女子らしい雰囲気の部屋には僕1人。

 綺麗に整えられたベッドに腰掛けつつ、僕は悩ましい気分だった。


「萌果のぷにあなが気にはなる……けど、本当に大人しく食われるべきか?」


 義理とはいえ、兄妹。

 本当にそこまで踏み込んでしまっていいんだろうか。


 けど、何を今更ではあるんだよな。

 もうお口でされたり、授○手○○もされていて、あんよでむぎゅむぎゅまでされた。

 ここまで来てひるむのは……ないな。

 萌果の机にはきちんとスキンが用意されているし、萌果はそれだけ本気ってことだろう。

 だったら、僕はそれを受け止めるべきだ。今更お利口になる意味はない。僕だって結局ヤりたくないって言ったらウソになる。


 そうさ、覚悟を決めてぷにあな探検隊になるんだよ。

 非常に禁忌なミッションだからこそ、成し遂げる価値がある。

 萌果の気持ちを思えば尚更だ。

 だから踏み込もう、危険なその領域へいざ――。

 

「――りゅー兄ぃ、おまたせ♡」


 僕の中でまたひとつ決意が定まったそんな中、萌果が風呂から上がって部屋にやってきたことに気付く。

 その姿はバスタオルオンリーで、栗毛はいつものショートポニテにまとめられてはいなくて、下ろされている。その影響だろうか、少し大人っぽく見え……いや、見えないな。身長140にも満たないミニマムボディ。JSと見紛う幼い身体。湯上がりで火照っていようとも、色気はない。

 でも、えっちだ。普通の妹だと思っていた頃はぴくりとも反応しなかったのに、義理だと分かった途端にそんな寸胴ボディがスケベに見え始めた。

 僕はもう末期ですね(白目)。

 

「さてさてりゅー兄ぃ、良い子で待てまちたか~♡」


 ともあれ……虚ろな演技を再開した僕をよそに、萌果は初っぱなからママモードで僕の隣に座って頭を撫でてきた。

 嗚呼……心のオギャソウルが掻き立てられてしまう。

 オギャ……オギャ……。


「よちよち~、りゅー兄ぃには今夜一番きもちーことを教えてあげまちゅよ~♡ 今まで他の淫獣たちから与えられていた気持ち良さはニセモノ。りゅー兄ぃを真に包み込んで慈しみを与えられるのは……ココだよ♡」


 バスタオル越しに下腹部をさする萌果。

 オギャ……還る場所だ……。


「でもまずは労りの時間でちゅよ~?」


 そう言って萌果が僕の顔を小ぶりな胸元に抱き寄せ始めてくれた。

 あ!(心停止)


「よちよち~、りゅー兄ぃは毎日搾られて大変なのに、萎え知らずの無尽蔵ぞうさんで偉いでちゅね~♡」


 ママぁ……!


「淫獣たちはいっぱい搾り取ろうとしてくるけど、あたしは1回で充分でちゅからね~♡」


 ママの慈愛に涙がちょちょ切れそうだ……。


「りゅー兄ぃ、それでさ」


 ふと、萌果はママモードではない真面目な表情に切り替えていた。続く言葉も、そんな真面目な表情のまま語られ始める。


「面と向かって伝えるのが恥ずかしいから、催眠アプリに頼った状態でひっそりと伝えるけど……あたし、きちんとりゅー兄ぃのこと好きだからね」


 改めてそう告げられて、僕はなんだかハッとする。


「義理だって分かる前から、ずっと好きだった……小学生の頃、あたしがちっちゃいから男子にからかわれたりしてると、自分だってその手の連中得意じゃないのにあたしを守るために身体張ったりしてくれてたでしょ? ああいうの、すごく嬉しくて……」


 そっか、萌果はその頃から……。


「でも兄妹だから、この想いは我慢しなきゃいけないって自分に言い聞かせてきて……でもホントの兄妹じゃないって分かったから、別に我慢しなくてもいいんじゃないかって思って……いや、それでもホントは絶対に我慢しなきゃいけないんだろうけど、里帆ちゃんたちが色々やりたい放題する中で、あたしだけ耐えるのはもう無理。だから……」


 そう言って萌果は僕の頭を少し離してからキスをしてきた。

 そんな言動を受けて、僕の中でも改めて覚悟が決まった。

 受け入れよう。萌果の想いを。もはやそこに後悔は――ない。

 

「……じゃありゅー兄ぃ、もうシちゃうね? 我慢の限界だもん……」


 バスタオルをはだけさせ、スキンの箱を手に取った萌果。

 僕も脱がされ、ついにそのときがやってくる。


 ぷにあな探検隊、出発進行――。



   ◇



 ……お腹がボコってなるのが叡智でした(恍惚)。



――――

つづく

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