第47話 ふたつの手
洞窟エリアを抜けたあと、僕らはひとまずゆっくりとランチをいただいている。
フードコートの屋外テーブルで僕は焼きそばを、里奈ちゃんはフランクフルトを、萌果はクリームたっぷりのクレープを食べているところだ。
「――りゅー兄ぃ、自我オフ」
そんな中で萌果がいきなり催眠アプリをかざしてきたので、さすがに意表を突かれ過ぎてビビる。
こんなフードコートで何を……。
焼きそばをちょうど啜ったタイミングだったこともあって、僕は口の端から焼きそばを数本はみ出させて虚ろな演技を開始。
けれど、萌果は特に変な動きは見せず、
「ねえ里奈ちゃん、洞窟の中で何シてきたの?」
と、里奈ちゃんにそんな質問を始めていた。
なるほど……僕には聞かせられないウラの話をするために僕から自我を奪ったのか。
問われた里奈ちゃんはニヤリと口の端をつり上げている。
「へへーん、洞窟の中ではねぇ、萌果ちゃんがまだ知らないオトナなコトをシてきたんだよ?♡」
「!? ……だ、大丈夫だったの? バレたりとか……」
「通りかかる人は居たけど、そのたびに息を潜めてやり過ごせたからへーき♡」
「ゴムは……きちんと持ってたの?」
「うん、それで後ろを突いてもらったんだ♡」
「後ろ!?」
そりゃ驚くよな……いたいけなJCが開発済みとは思うまい。
「う、後ろってア○ル……?」
「そうだよ♡」
「わ、わざわざ準備して来てたの?」
「うん♡ プラグ入れたままずっと過ごしてたんだ♪」
……ド変態過ぎるよなぁ。おかげでスムーズだったけど。
「えへへ、萌果ちゃんも興味ある?♡」
「……う、後ろはさすがにハードル高いけど、前でするのには興味あるかな……」
……あるのか。
そうか……萌果はもう家族の関係をぶち破る気満々なんだな。
まぁ、先日お口でシてくれた時点で何を今更か……。
「ねえ里奈ちゃん……初めてのときって痛くなかったの?」
「んー、あたしはそんなにだったかなぁ。でも萌果ちゃんはちっちゃいからどうだろうね? 琉斗くんのアレ、それなりだし」
「……うん、今里奈ちゃんが食べてるソレくらいあるよね」
と、萌果が極太フランクフルトに目を向けているが、さすがにそこまでのサイズ感じゃない。せいぜい細長い缶コーヒーくらいだ。
「まぁでも、りゅー兄ぃのアレを受け入れる覚悟はあるもん……もうちょっと段階踏みたいけどね」
段階とは一体……。
「段階って?」
里奈ちゃんも気になったようで尋ねていた。
「……本番までもう少し手順を踏む、ってこと」
「そんなの要るかなぁ?」
「要るし……助走は大事でしょ」
「じゃあ萌果ちゃんはどういう助走から取り組んでみたいの?」
「えっと、なんかこう……授乳の体勢でしごいてあげるヤツとか」
「あー、アレね」
――ママぁ!! おぎゃー! ばぶー!
「そっかぁ、萌果ちゃんは琉斗くんを責めたいタイプなんだね? あたしは責められたいタイプだけど」
「せ、責めたいっていうか……こんなナリだし数ヶ月年下だから、ウラではせめてお姉さんっぽくもてあそびたいっていうか……」
「ほうほう」
なるほど……つまりコンプレックスの裏返しで萌果はママになりたいのか。
「じゃあさ萌果ちゃん、とりあえず早速ソレやっちゃえばいいんじゃないの?」
「こ、ここで?」
「ここでっていうか、あっちの方に河原エリアっていう場所があって、テント借りてキャンプ気分を味わえるんだって。そのテントの中でなら好き放題出来るだろうし」
そ、そんなおあつらえ向きの状況を作ることが出来るのか……(唖然)。
「てなわけで――あとでそっちに行ってみない?」
という里奈ちゃんのお誘い。
萌果がそれを断るかと言えば、もちろんノーなわけで――
「――はぁ~いりゅー兄ぃ♡ 上手に吸いながら出しまちょうね~♡」
20分後、ランチを済ませたあとに河原エリアでテントを張った僕らは、その中で萌果ママの希望通りのアレをすることになった。萌果だけじゃなくて里奈ちゃんにも同時に同じことをされて、つまるところダブル授○手○○という業が深い状態で、虚ろな演技を維持するのが大変だったことをここに記しておく。
……ダブルちっぱいに心の中でひそかにオギャるのは、率直に言って最高でした(小声)。
――――
つづく
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