第7話 おっぱい洗脳
「――さぁて琉斗、今あなたは里奈のおっぱいで鼻の下を伸ばしていたみたいね?」
激おこ里帆が僕に催眠アプリを使用してきたという現状……。
虚ろな演技を始める僕と、僕のベッドに腰掛け始める里帆。
女王様のような雰囲気を伴わせて、里帆は僕のことをニヤッとねめ付けてくる。
「ふふ。じゃあ琉斗、里奈のおっぱいなんかにデレデレしていたあなたに、今からおしおきを与えるわ。まぁ実質ご褒美みたいなモノだから安心なさいね?」
そう言って里帆は、私服のブラウスと肌着をいきなり脱ぎ出していた。
まもなくあらわになったのは、グレーのスポブラ。
それに覆われたおっぱいは、並々ならぬ存在感だ。
萌果ぱいが小豆、里奈ぱいがマスカットだとすれば、里帆ぱいはメロン。
瑞々しいハリがあって、見ているだけで血流が……。
「それじゃあ琉斗、あなたは一旦ベッドに仰向けで寝そべってもらえるかしら?」
催眠アプリを見せられながら、追加の命令が届く。
おっぱいでなんかしてくれるつもりっぽいけど、一体何をする気だ……。
懐疑的な気分で、とりあえず僕は指示通りベッドに仰向けで寝そべった。
「ふふ、良い子ね。素の琉斗もこれくらい素直なら良いのに」
なんて言いながら、里帆がまず挨拶代わりのキスを見舞ってきた。
……生意気で悪かったな。
にしても、こいつのキスは本当に長い。
1回ちゅっとするだけじゃ終わらないんだ。
唇をふやけさせる勢いでついばんでくる。
熱心な吐息が当たる。
僕の方からもキスしてやりたい、とか、このまま抱き締めてやりたい、とか、色々思う部分がある。
でも我慢しないといけない。
演技だってバレたら絶対面倒だからな……。
「ふぅ、さてと……」
やがて唇を離した里帆が、スポブラおっぱいを誇示するように腕を組んだ。
もっちり豊満。
お肉たっぷりボリューミー。
牛丼とおっぱいは肉が多ければ多いほど良いよな。
異論は認める。
しかしこいつ、マジで何をするつもりだ……?
「さて琉斗、今からするのはおしおきであり、ご褒美であり、里奈のおっぱいなんかにデレデレしていたあなたへの矯正でもあるわ」
……矯正と来たか。
「じゃあちょっと失礼するわね。よいしょ、っと……」
里帆が僕の上に覆い被さってきた。
おっぱいがちょうど僕の顔の上に来る感じの四つん這い。
もちろん、おっぱい自体はまだ僕の顔には触れちゃいない。
ぷるんぷるんのおっぱいが、牛の乳のように眼前にぶら下がっている。
す、吸い付きてえ……でも演技のために我慢だ……。
「ふふ、ぶら下げた人参状態でお預けを強いるわけじゃないわ。矯正の本番はここからよ。今回あなたに教えるのは、私のおっぱいの圧だから」
……おっぱいの圧?
と思わず首を傾げそうになった直後に、それは起こった。
――むぎゅ!
ぶら下がりおっぱいが急降下し、僕の顔面を圧迫してきたのである。
うおおおおお……!
「さあどうかしら琉斗。里奈のおっぱいでは絶対に得られない巨乳の圧よこれが」
むぎゅうっ、と更に圧を掛けられ、僕の顔面はおっぱいの下敷きに!
こ、これが里奈ぱいにデレデレしていた僕への矯正ってことか……!
戒めのおっぱいプレス!
……冷静に考えてみると、こいつ何してんだ、バカじゃねーの? って感じだが、この状況を冷静に受け止める方がバカと思い、僕は気を取り直した。
おっぱい……大きなおっぱいの圧力……。
あぁ、なんて幸せな感覚だろうか……。
まるで真冬の寒い時期に頭まで布団を被ったような安心感。あたたかみ。
まさにそう、これは肉布団だ。
僕は今、至高の寝具と出会ってしまったのかもしれない……。
「ふふ、こうやって私のおっぱいの良さを放心状態のときに刷り込んでおけば、琉斗は素の状態でも無意識に私のおっぱいが一番になるはずだわ。これぞまさに――おっぱい洗脳。他の女のおっぱいじゃ満足出来ない身体に作り替えていくということよ」
お、おっぱい洗脳……!
くっ、なんて恐ろしい計画なんだ……。
催眠アプリをそんなことに使うだなんて……僕の幼なじみは本当にとんでもないド変態だった、ってことだな……。
僕がそう思う間にも、里帆によるおっぱい洗脳が続く。僕の上で腕立て伏せでもするようにして、ぱんぱん、とおっぱいの上下運動が行われ、僕は圧迫に次ぐ圧迫でもはや夢心地。jr.を抑え込むのに必死でもあるぜ……。
「ふふ。だけど琉斗ったら、せっかく私にこんなことをされてもハッキリと記憶に残らないのは可哀想よね」
いやいや……もはや脳裏にこびり付いているんだよなぁ。多分もう研磨剤で磨いても取れないくらいにガビガビだ。
「ま、素の琉斗には間違ってもこんなことは出来そうにないわ……だってこれがもしバレただけでも、私は恥ずかしくて死んじゃうはずだからね」
……とのことで。
ここでいきなり「わー!」って起き上がったら相当愉快なことになるんだろうが……まぁ、それはやらないでおいてやろう。
なんせそれが僕なりの優しさであり、リスクヘッジでもあるからな。
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