暖かな微笑み
仲野二十三
暖かな微笑み
太陽が燦々と皆様に向かって微笑みます
おはよう。おはよう。貴方の先行きが素敵なものになりますように。
太陽がしとしとと微睡んでいる皆様に向かって微笑みます
大丈夫、大丈夫。私が見ているからね。安心してお眠りなさい。
そこへ月がやって来て、太陽をポケラと蹴飛ばしてしまいました。あたり一面は夜になってしまい、舞台の幕が無理やり下ろされてしまったような暗さでした。気温も一面に下がってしまい、人々の肌は死んだばかりの魚を思い出させるような冷たさです。一体何が何だか分かりませんでした人々は。
それに対し月は、一向にシャクシャクと笑っているばかりです
おやすみ。おやすみ。キミらはもうあの世界に戻る事が出来ないんだよ。
月は先程の楽しそうな笑顔から興味無さげに平坦で冷淡な口調で続けました
寒いね、寒いね。でも大丈夫、じきに寒さも感じないくらい暑くて痛くて暗いところに行けるからさ。
そう言うと月と人々はふわりと消えていきました。
太陽が月に蹴飛ばされ、やっとこさ戻って来た頃には既にだぁれもいませんでした。太陽は暖かいところで育ってきたので、自分の元を離れるはずがないと思っていましたから、皆で散歩かピクニックにでも言ったのだろうかと考えていました。
そんな無知で幼稚、けれどもとても愛くるしい太陽は今日も何も知らずに新しく来た人々に燦々と幸福と笑顔を振り撒くだけなのでした…
暖かな微笑み 仲野二十三 @Ravana_Love
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます