ちょっと帰ってきた「夜九時に餡子のホットサンドを作った」

隅田 天美

ちょっと帰ってきた「夜九時に餡子のホットサンドを作った」(短編)

 名古屋に拠点を持つ「コメダ珈琲」は逆写真詐欺をする。


 とにかく量が多い。


 初めて訪問したときは朝食を抜いて食べたがあまりの多さに胃がギブアップ寸前だった。


 普通、例えば東京などの喫茶店でモーニングセットを頼めば出てくるのはトーストされたパンとコーヒーぐらいだ。


 名古屋人は違う。

 茹で卵やミニサラダまでつける徹底したサービスの塊だ。



 そこで思った。


 名古屋人でも考えない『究極の名古屋飯を作ろう‼』


 それは「餡バターホットサンド」


 私の家にはホットサンドメーカーがある。(意外と安いですよ。私が持っているのは1000円程度)


 そこに駅ナカで買った餡バターを下のパンに全部投下(総グラム125グラム)して、上のパンと合体。


 すぐにできた。


 甘い。


 実に甘い。


 思わず冷蔵庫の牛乳を飲む。


 その時、心の中の誰かが言った。


「これってアンパンじゃん!」


 その言葉は裸で街を練り歩く裸の王様であり、北斗の拳におけるカイオウの秘拳が極められたがゆえに実用性が無くなり、かわす技も極められ、実戦での力を失ったことをケンシロウから諭されたカイオウのような驚きだった。

(訳が分からない? まあ、簡単に考えれば当然の帰結。原作も読むとよくわかるかも)



 名古屋の道は遠い……





お・ま・け


 翌日、後輩に事の顛末を話すとすごく優しい笑顔でこう言われました。


「先輩、疲れているんです。会社を休んで寝てください。あと、日本人全員が先輩のように『北斗の拳』を事細かに知っているわけないんです。もう少しわかりやすい例えを出してください」


 アニメだと『北斗の拳2』だった、修羅の国編はラオウ様から見ると蛇足だけど色々面白い発見もあるので個人的にお薦め。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

ちょっと帰ってきた「夜九時に餡子のホットサンドを作った」 隅田 天美 @sumida-amami

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ