第36話 リセット


「親父さん!」

「おお。お前達か!元気にしておったか?」

「元気だよー」

「親父さんは後任は育ててるの?」

「あぁ、まだ、若いがしっかりしとるぞ」

「ならいいね!後任にあとは任せて俺の国でギルド長やってよ!」

 親父さんは目がはてなになっている。

「いいからきてよ!」

「こら、サーシャ、待ちなさい」

 サーシャが、手を引っ張り上を指す、上にはうっすらと島が見える。

「あれに乗ってきたの」

「ほぉ、浮遊島かい?物知りだなサーシャは」

「違うの!本当なのに!」

「分かった分かった、で?お前たちは?」

「分かったよ、転移」

“ブゥン”

 と言う音と共に魔法陣が俺たちを包むとすぐに上に出る。

「うおっ!な、なんじゃこりゃ!」

「ここが浮遊島だよ」

「な、なんじゃと?」

「まぁ、兄貴達、親父さんを連れていってきてよ」

「まかせろ」

 親父さんの手を引いてサーシャと兄貴は浮遊島見物に連れていった。

「よし、ここのこの家もあそこに転移してくれ」

『了解』

「よし!俺たちの家もここに来たな!」

 あとはこの平和が、

“ドォーン”

 なんだ?コックピットに乗って見てみるとあれはどう見ても小さい浮遊島だな。

『ここは俺の陣地だ!さっさと出ていけ!』

「あれなんだ?ズームしてくれるか?」

『了解』

 そこに乗っていたのはユニーク 簒奪王を持っているユニットのアークであった。

 この国に来ていたのか?

「それにしても小さな浮遊島を手に入れたみたいだな」

『聞こえてるぞ!小さくても機動力はピカイチだ!』

“ギューン”と回ってコックピットの前に来たのでバリアを張るとロケット弾が撃ち込まれた。

「それにしてもバカなのか?こっちには」

『あははは!ここは俺のもんにしてやる!」

 煙が流れコックピットが無事であるのを見たアークは舌打ちをする。

『ちっ!早く出て戦え!』

「いやそれよりも後ろだ」

「は?え!えぇ!」

『我は少し怒ったぞ?』

 ミスティを怒らせたらまずいよね。しかも龍の姿だし。

『リュウ?こやつは捨ててきていいか?』

「いいよ!遠くに捨てちゃって」


 アークは悪魔ユニットだしね。

『うわあぁぁ!』

 小さな浮遊島事握られたアークは星の彼方に消えた。

『また寝ることにする』

「あぁ、おやすみミスティ」

 陣取りゲームで出てくるユニットってまだいたっけ?

 七つの大罪スキルを持つ奴らもいたな。

 まぁ、ここが安定してからでいいだろ。

 

「リュウ!ここは本当にいいところだが一階層下に卸してくれんか?」

 親父さんはゆっくりと歩いて俺のところへ来た。

「どうしたの親父さん」

「まだ、後任に伝えてないしのぉ、本当なら今すぐ来たいくらいじゃが」

「いいよ!それくらい、じゃあ、下ろしてくれるか?」

『了解』

 親父さんを下ろしたあと俺は攻略本を読んでいた。

 ここからもっと楽しくするためにはどうしたらいいのか?国民を増やすのは当たり前だけどそれからどうしたい?

 やることやったからこれ以上やることが思いつかないなぁ。ここは数ある浮遊島の中でも最強の浮遊島だし、これに拡張ユニットつけてもいいが、あまり喜べないなぁ。

 長く遊べるように作ったのに遊び尽くしたな。


 まぁ、まだまだこれから問題が出てくるだろう。そうした時に備えてガチャでも引いておこう。


「そうだな。今度はどんな人生がいいかな?神宮寺、リュウ。二つの人生で交わることのなかったことだが、神よ、やり切った人生はつまらなくなるから今度は加減して見たいな」

 ガチャを一回回すと虹色のガチャだった。


 ・リセット


 さぁ、押すべきか押さざるべきか。

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龍宮寺、ゲームの中に転生する。 あに @sanzo

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