第35話 浮遊島
ミスティを仲間に入れてダンジョンを攻略するのだが、みんな思い思いに動いている。
もぉ、これを制御する気も失せた。
現在100階層手前でボス部屋が見つからないのだが、みんなモンスターが強いのでそれなりに疲れて来たようだな。
さて攻略本を見てみると、ふむふむ、なるほどねー!
「全員集合!」
「なんかわかったのか?」
テリーが聞いてくるのでその場所まで行ってみた。
ここは100階層から右奥に行ったところにあるなんの変哲もない部屋のように見えるが真ん中に蔦が絡まった石柱があり、底に窪みが見える。
つたを剥ぎ取って顕になった石柱には四つの窪みがあり、そこに赤、青、黄、緑の玉をはめ込むとその部屋全体が競り上がってくる。
「おおっ!」
「なんじゃこれは?」
“ズズン”
と止まったところは浮遊島のコックピットだ。
ガラス張りで見渡せるのは浮遊島の外部、
皆が惚けている間にコックピットが後ろにあったので座りカードキーを差し込むと上が開いてコックピットが上昇する。
「おーい大丈夫か?」
「おー、待っててくれ」
“ガシャン”
と、閉じるとこの浮遊島の内部がわかる構造だ。
「ファーストシップを中に入れてくれ」
『承知しました。入船完了』
「浮遊島に上がってこいよ!」
トーマスや他のみんなに声をかける。
みんなビックリしていたが、声に反応して登ってくる。
俺はコックピットを下げてみんなにここの艦長になったことを宣言した。
「おお!」
「すげぇな」
「さすがご主人様!」
「リュウニイ凄いね」
「な。俺たちの兄妹か?」
「さて、ここで何をするつもりじゃ?」
ミスティに聞かれたので、しょうがないなぁ。
「ここに浮遊島に、国を作ろうと思う!」
「「「「「「「おお」」」」」」」
「だからみんな力を貸してくれよ?」
「おう!」
「んじゃ、国王になるの?」
「そう言うことだな」
サスケやハンゾウはポカンとしている。
「そんなに深く考えなくてもいい、いつも通り俺が艦長をするだけだ!みんなには手分けして色々やってもらうけどな!」
「わ、分かった!」
下がガヤガヤしてきたな。
「おら、登ってこい!」
「あ!艦長!」
「今は艦長じゃねえよ」
カイゼルがみんなに言う。
「リュウが艦長兼国王だ!」
「えぇーーーーー!!」
「まぁ、そう言うことになったからよろしくな!」
「お前ら働けよ?」
「ならカイゼルも働けよな!」
「てめぇ!元艦長に向かって」
カイゼルは慕われてるな。
「んじゃ、下に行こう」
「「「「「「おう」」」」」」
外に出るといい天気だ!雲ひとつない大空に下は畑になっていてγ形のアンドロイドが手際よく手入れをしている。よく見るとアンドロイドが至る所にいるな。
「わぉ!ここは楽園だね!」
スズメにとっては楽園だな。
「うわぁ、やさいがこんなに!しかも元気ですね!」
トーマスは野菜に感動している。
「ここに街を作ろう!俺たちだけの街だ」
「あはははなんか秘密基地みたいだ」
「だろ!」
大人の秘密基地だな!
まずは腹ごしらえだ!
「トーマス!腹が減ったからよろしくな!」
「はい!腕によりをかけて作りますよ!」
「後のみんなはアンドロイドに気をつけてまわりをみてきていいぞ?」
「「「「「「「おう」」」」」」」」
俺も端っこがどうなってるのか見に行くとちゃんと柵がしてあった。
コックピットに戻ると誰がどこにいるのか分かるな。そして家も建てられるようだし、大工入らずだな。
あらかじめセットも出来てるしこれはいいな。
ダンジョンも二箇所あるし、川も流れている。水車が周りのどかな雰囲気だな。
こんなところで余生を送りたかった神宮寺はいまついに夢が叶った。
だがまだ俺は18歳だ、これからも仲間を増やすぞ!
まずは親父さんをここに連れてくることだな。
この島の中ならどこに暮らしてもいいし、やっぱり自分の家を持ってくるか!
地形をセットして空き地を作る街の外壁を作ってと、あ、さっそくハンゾウ達が見にきたな。
国王が済むけど普通の家でいいし、俺には親が残してくれた家があるからな。
「ラヴィータの街に進路をとってくれ」
『了解』
これでよしと、
「リュウニイ!降りてきて!」
俺は下に降りるとサーシャが呼ぶ方に行く。
「リュウニイ見てみて、動物がちゃんといるよ」
「本当だな!ここはやっぱ楽園だなぁ」
うさぎが顔を出して餌を食べている。
「主よ、ここに我が巣を作っていいか?」
「うーん、待って、作るから」
「分かった、できれば人間状態の時の家も欲しい」
「それもわかったよ」
コックピットに戻ると龍の巣穴を作成すると山が大きくえぐれて龍の巣になった。
そして街の方は噴水を作り、家を並べて行く。
ラヴィータの街そっくりだな。
『ラヴィータの街に到着しました』
コックピットを降りて兄貴とサーシャを呼びに行く。
「兄貴、サーシャ、街に戻って親父さんを連れてこようよ」
「それはいいな!って、ギルドはどうするんだ?」
「うーん、まぁ、そろそろ交代の時期じゃないかな?後任が決まってたらいいけど」
「いーじゃん!親父さんを呼びに行こうよ!」
「「だな」」
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