第19話 ゲコリーヌの配信で起きた奇跡
「なんで斬れるのよ!」
固定してあるブラックドラゴンの鱗が両断された。
「ウェイブを使えば誰でも出来るさ」
「できないでしょ!」
「流石ゲコリーヌ様です!」
本来ダンジョン外でブラックドラゴンの鱗を切るのは、専門的な機械を使わないと出来ないはずである。だがそれを剣をでこなした。普通できることではない。
「真似してやってみてください!」
「はい!」
流石に誰も傷一つつけられるとは思っていなかった。
ザクッ
「半分ぐらいはいりました!」
“いやなんでだよw”
”核シェルターに使われる素材だぞ?“
“なんで刃が入るんだよ”
“おかしいだろ!“
“ここ家だと見せかけて実はダンジョン内なのか?”
そんなこんなで一緒にブラックドラゴンの肉を食べたり、鱗を家に飾ったりして。ドッキリは終了した。
「一生の思い出になりました!」
世界1のフォロワーを持つゲコリーヌと会える機会なんて隕石が落ちてくる確率並みだろう。女の子は幸せを感じながらゲコリーヌに手を振った。
◇
ゲコリーヌの知らないところで事故が起き、それをゲコリーヌの視聴者のおかげで助けられたというニュースが放送された。
「ゲコリーヌの配信を見ていた男性は、隣の家から悲鳴が聞こえ、隣人の安否を確認しに行くと、そこには人が倒れていました。
倒れた人の隣には少女がいたが、どうすればいいかわからなく焦っていた。
そこに男性が駆けつけ、ゲコリーヌの視聴者にどうすればいいか質問し、その指示通りに救助をしたおかげで助かりました。
ゲコリーヌの視聴者の冷静なアドバイスと、ゲコリーヌの配信を見ていた男性の冷静な判断のおかげです」
このニュースで何故かゲコリーヌの評価まで上がったという。
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